「芸能プロという組織の良しあし」を語る場合、所属するタレントの知名度や数、業界での権勢ぶりなど、
"組織が持つ力"を指すことが多かった。だが、それはあくまで組織を外側から見た場合である。
では、アイドル目線ではどうだろうか?
いわゆる、"アイドルの定義"はさておき、今の芸能界でアイドルという存在は、
「タレントにも、歌手にも、女優にも、どれにもなれない中途半端な存在である」
(大手芸能プロ幹部)という。
また、永遠のアイドルという呼称は存在するが、(イロモノ的な扱いを受けている
42歳の桜井美香は別として)"最年長グラビアアイドル"というキャッチフレーズで
話題を集めているほしのあきがいまだ32歳であることを考えると、
アイドルに「年齢」という賞味期限があることは明らかだ。
とすれば、アイドルにとって最も必要なのは"次の肩書"のステップだろう。
「芸能界で息の長い活動を続けられる職種といえば、歌手もしくは女優。
つまりこれらの仕事へシフトさせることができる芸能プロが、アイドルにとって
"良い芸能プロ"」(中堅芸能プロ社長)と考えるのが自然だ。
と、すると、映画や音楽制作を同時に行っている大手芸能プロはやはり強い。
「バーニングプロダクション、オスカープロモーション、ホリプロ、スターダストプロモーション、
アミューズ......大手と呼ばれる芸能プロのほとんどは、テレビや映画、ときには楽曲の制作にまで
かかわっていて、映画やドラマのキャスティングへの発言力も強い。
例えばスターダストは、柴咲コウ、ERIKA(沢尻エリカ)やYUIなど、映画や音楽などの
ジャンルをミックスさせた売り方で結果も出している」(前出・社長)
本誌では、こうした大手芸能プロによる売り出し方を再三考察してきたが、
アイドルという中途半端な立場を考えると、資本力のある大手芸能プロへの所属は
有利のように思える。だが実際、"アイドル"として活動している女の子らの声に
耳を傾けると、大手に所属することに決して肯定的な意見ばかりではない。
http://www.cyzo.com/2009/05/post_1968.html