劇的な幕切れが逆に、寂しさに拍車をかけた。
巨人が代打・阿部のサヨナラ打で2位のヤクルトに3タテを食らわした23日の試合。
ヒーローをモミクチャにしてハシャぐ巨人ナインとは対照的に、
福岡ヤフードームのスタンドは空席を示す緑色のシートがむき出しだった。
この日、集まった観客は2万120人。同ドームでの主催試合としては、
06年の2万87人に次ぐ“ワースト”記録に、読売関係者の顔も青ざめた。
「福岡、札幌での主催試合の観客動員が落ち込んで、長く恒例だった九州シリーズ、
北海道シリーズは昨年から隔年開催にした。それも、キャパの大きい福岡ヤフードーム、
札幌ドームでの試合を減らして、その分を今回の佐賀や長崎、あるいは、熊本や旭川という
地方球場開催に回した。2年に1試合と希少性を持たせることで、福岡や札幌のドーム試合にも
プラス効果が表れるのではないかという期待もあったが、それがこれでは……」
球団の経営を支えるのは、入場料収入とテレビ中継の放映権料。すでにそのひとつの柱である
放映権料は、ヒビが入って朽ちかけている。グループ企業である日本テレビの地上波での
今季の巨人戦中継数は、昨年から16試合減となる26試合。それでも、
「系列企業という関係で中継試合の数にかかわらず、一定の放映権料は支払われている」
(日本テレビ関係者)とはいうものの、「わが社も昨年9月の中間連結決算で37年ぶりに赤字を計上した。
人の面倒を見ている場合ではない。支援態勢を見直さざるを得なくなるでしょう」(同)というのが現状だ。
開幕前には衝撃的な事件もあった。日本テレビによるナイター中継数削減の穴を埋めようと、
巨人は他の民放局に営業をかけた。だが、その返答は芳しくなく、全盛期には1試合8000万円とも
1億円ともいわれた放映権料のダンピングを敢行。その金額は
「1試合4000万円と聞いた。かつての半額以下ですから、これはちょっと衝撃的なこと」
(某民放局ディレクター)で、大幅な値下げの甲斐あってか、
ある局が2試合の中継を約束したのもつかの間、正式契約寸前になってドタキャンされたのだ。
http://news.www.infoseek.co.jp/sports/baseball/story/27gendainet04032805/