【囲碁】でるかコンピューター名人 囲碁に確率重視の「モンテカルロ法」

このエントリーをはてなブックマークに追加
3絶望φ ★
(つづき)

●将棋の前に名人破る?

 トップクラスのプログラマーとして知られる山下宏さんは、20代半ばから取り組んだ
「知識」重視のプログラミングをあきらめ、07年にモンテカルロ法に移行させた。
「12年間やっても勝てなかった別のプログラムをたった4カ月で超えた。ショックでした」と語る。

 モンテカルロ法では(1)大差で勝っている時は緩んで半目勝ちをめざす(2)確率で決めるため
常に最善手を選ぶとは限らず、詰碁や攻め合いなどの一本道の読みに弱い、という傾向がある。
(1)は差は狭まっても危険のない手が高勝率になるからだ。なお半目勝負では
正確なヨセを披露し、大劣勢時は相手のミスに期待する無謀な手を打つクセがある。
(2)について山下さんは「正解手順が一つの時は苦手。将棋は終盤に勝敗に直結する
詰将棋が頻出するので、モンテカルロ法は有効ではないと思う」。

 コンピューター将棋は現在アマ六段クラスとされ、昨年、アマのタイトル者に勝った。
一流棋士に勝つのは2014〜15年との調査結果があるが、「モンテカルロ法によって、
もしかしたら将棋よりも先に、囲碁の名人がコンピューターに敗れるかもしれない」と山下さん。
チェスとオセロは97年に世界王者がコンピューターに敗れている。

 伊藤助教は「モンテカルロ法は作り手に囲碁の専門的な知識がほとんどいらず、
研究の敷居が下がった。まだまだ改良の余地があり、あと1、2年は強くなると予測できます。
その先は見えず、研究者によって見解はまちまちです」と話している。

(おわり)