【WBC/NPB】「宴のあと」に怯えるプロ野球 WBC人気がプロ野球人気低下に拍車をかけるかも

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3絶望φ ★
(>>2の続き)

●人材不足を改めて露呈

 日本人選手の多くが、世界レベルにあることは間違いない。岩隈やダルビッシュ、杉内や
青木は今すぐメジャーリーグに行っても、それなりの働きはするだろう。だが、日本代表は
オールスターチームで、日本球界全体で見れば世界基準のアスリートはほんのひと握り。
それが、現実でもある。

 前出の工藤氏が言う。

 「日本のプロ野球界には今、ヒーローがいない。イチローや松坂、松井秀と、日本の
トップクラスの選手はみな、より上のレベルを目指して海を渡ってメジャーに行ってしまう。
絶対的なスターが不在ですから、魅力が薄れるのは当然。WBCの日本代表には確かに
華があるが、それは日本代表だからこそ。ファンがそういう現実を突きつけられたとき、
WBC人気はむしろ、日本プロ野球の人気低下に拍車をかけることになるかもしれない」

 プロ野球開幕前の3月に絶頂を迎えてしまった野球ファンの燃え尽き症候群も懸念される。
そうでなくても、今の野球ファンは「クライマックスシリーズと日本シリーズだけ見ればいい」
というおいしいとこ取りのファンが増えている。WBCが盛り上がれば盛り上がるほど、
そういう傾向が強まる可能性もある。この1カ月間、新聞もテレビも野球報道はWBC一色で、
プロ野球の話題はほとんどまったく取り上げられなかったマイナスも大きいだろう。

 25日、東京ドームのナイターで行われた巨人と中日のオープン戦の観衆は、わずか
1万9493人止まり。一過性の熱にすがっていては、本当の人気回復にはつながらない。

(了)