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>>3の続き)
「ポッドキャスト以外の新たな展開であるデジタルラジオについては、現在、聴取率調査
の対象ではないため、広告効果の測定が難しく、CM枠を販売しにくい面があります。
『超A&G+』では、ネットゲーム事業者とのタイアップ番組なども制作していますが、さらに
新しいビジネスモデルは必要になるでしょうね」(橋本氏)
「例えば、『自動車メーカーから出資を受け、業界PRのためにクルマ情報番組を制作する』
方法も考えられます。番組は特定のメーカーに寄り添わず、主体的に業界の面白い情報
だけを伝え、スポンサーの名前も出さない。そのかわり1口あたりの出資額は通常の広告料
より安くする。広告の世界ではタブー視されている同業複数社からの同時出資を受けられる
可能性もある。ステルスタイアップとも言えますが、制作側は決められた範囲内で面白い
番組作りを追求できるメリットもある」と津田氏は分析する。
●限られたコストでもトークや企画で質を維持
では、ラジオの聴取率という面では、どうなのだろうか?全体的には下落基調にあると
いうが、その半面、10年以上続く番組も数多いことからわかるとおり、ラジオには熱心な
ファンを獲得しやすい性格がある。
「音楽業界では所属アーティストのファンクラブをケータイの公式サイトで運営し、中には
月額300円で数十万人の会員を抱えるところもあります。彼らのように毎月数千万円を稼ぐ
のは非現実的ですが、コアなリスナーを抱えている番組なら、数万人は集められなくても
数千人なら現実的に集められる可能性はある。幸いラジオは制作費が安く、属人性が高い
メディアなのでファンクラブが成立しやすい。コアリスナーにコミュニティ機能や番組アーカイブ
などを提供すれば収益化の道も探れるはずです」(津田氏)
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>>5に続く)