横綱・朝青龍(28)=高砂=に昭和の大横綱が熱いエールを送った。
大相撲春場所は15日に大阪府立体育会館で初日を迎える。
最大の注目は初場所で復活優勝を果たした朝青龍の動向。
2場所連続Vなら優勝回数で“昭和の大横綱”北の湖の24回に並ぶ。
土俵祭が行われた14日、北の湖親方が昨年9月の理事長辞任以来、初めて朝青龍について言及。
「私を超えて大鵬さんの32回を目標に精進して欲しい」と激励した。
大横綱だからこそ言える言葉だった。北の湖親方は朝青龍に自らの24回を超えることを命じた。
「横綱は目標を持つことが大切です。朝青龍は私の24回を追いつき次に大鵬さんの32回を目標にして欲しい。
私は31歳で引退しましたが、朝青龍は今年で29歳。私の記録を抜くのは当然です」
進退がかかった初場所で劇的な復活V。土俵人生の瀬戸際を切り抜けた朝青龍は、
場所前に「今は腹いっぱい」とハングリー精神を失った発言を繰り返した。
北の湖親方は闘志がなえる兆しが見える今だからこそ「私を超えて欲しい」と熱い激励を送った。
自らの記録を更新されることに抵抗はない。それよりも「優勝回数を伸ばせば人間もできてくる」と品格の改善も期待した。
目標を持て―。何度も親方は繰り返した。現役時代がそうだった。
82年初場所で23回目の優勝を果たしたが、その後はひざのけがなどで長く賜杯から遠ざかった。
支えたのは「ダメでも目標を持ってやる気持ちだった」と振り返る。24回目のVは84年夏。
2年半ぶりの復活Vは横綱としての責任感だった。「横綱は土俵に君臨するという自覚が一番なんです」と朝青龍に訴えた。
昨年9月の理事長辞任後、朝青龍についての評価は避けてきた。
今回、初めて口を開いたのは大阪場所担当部長として場所を盛り上げて欲しいという思いもある。
「白鵬と千秋楽まで優勝争いを盛り上げて欲しい。それが横綱の最低限の責任です」。
その朝青龍はこの日は2日連続でけいこを休み、宿泊しているホテルで英気を養った。
北の湖親方の激励をどう受け止めるか。熱い15日間が再び始まる。
連覇へ気合十分の朝青龍
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