今年7月にオープンする新潟県立野球場(新潟市中央区)をめぐり、地元野球関係者らが、
新潟市出身の漫画家水島新司さんの人気作品「ドカベン」を球場名に付けるよう県に
要請している。これに対し、企業への命名権売却を模索する県は難色を示し、名称が
決まらない状況となっている。
県立野球場は、プロ野球の公式戦ができる球場の整備などを目的に1990年に建設計画を
決定した。総事業費約89億円で約3万人を収容。今年はセ・リーグの公式戦4試合、
来年はオールスター戦が開催される予定となっている。
新潟市商工会議所や県野球連盟、野球イベントを開催する特定非営利活動法人(NPO法人)
「新潟野球人」などは昨年7月、署名集めを始めた。「知名度のある『ドカベン』で全国にPRを」と
「新潟野球人」の中野久事務局長は話す。
これに対し県は、運営を指定管理者制にし、年間6500万円の管理委託料の一部を、命名権の
収入で補う方針だ。最近は球場だけでなく、全国各地の公的施設の多くは「命名権」売却が主流。
県の担当者は「県民の負担軽減のためにも不可欠」と説明する。
1月下旬、約4万人分の署名提出のため「新潟野球人」のメンバーらが県庁を訪れた際、
泉田裕彦知事は双方による勉強会の開催を提案する一方「税金を使って(『ドカベン』の
球場名で)やってくれというお願いですか」と突き放す態度を見せた。
泉田知事は「2月中に対応を明らかにする」としているが、今のところ名乗り出る企業はなく
売却先は決まっていない。
県民の中には「収入を優先すべきだ」「盛り上がっているのは野球関係者だけ」という声も少なくない。
しかし中野さんは「20年以上も待ち望んだ、新潟の野球のシンボル。『ドカベン』の名を通し、
新潟の文化を全国に発信させたい」と訴える。球場内に水島さんの漫画の展示スペースを
設けるなどのイベントを提案し「経済効果も生まれ、地域の活性化にもつながる」と力を込めた。
http://www.sponichi.co.jp/baseball/flash/KFullFlash20090214060.html