【テレビ/北海道/野球】日本ハム戦は高視聴率もTV局は赤字…不況やデジタル投資で民放各局苦戦

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続き

 本業の広告収入不振に直面する各社はこぞって放送外事業の強化に注力して
いる。そのお手本とも言うべき存在が、前3月期に道内民放で唯一、営業黒字を計上したHTBだ。

 HTBが営業黒字をキープした秘密は、ヒット番組「水曜どうでしょう」のDVDなどの売り
上げだ。「水曜」はローカルの深夜帯では異例の高視聴率をたたき出し、出演していた
俳優の大泉洋さんがスターダムを駆け上るきっかけにもなった番組。02年に
レギュラー放送は終了したが、DVDの人気は今も衰えていない。

 HTBによれば、前3月期の放送外収入は約20億円あまり。全体の売り上げに占める
割合は約15%とキー局並みの水準に達する。二次利用のDVDは償却済みで利益貢献
も極めて大きい。ライバル局も番組を再編集したDVD販売などを積極化させているが、
「2匹目のドジョウ」はそう簡単には見つからない。

●高視聴率の日ハム戦だが放映権等回収できず赤字

 「地方の民放局は地元が元気にならなければ成り立たない」(HBCの溝口氏)。
“本業”の立て直しで各局が目指すのは「原点回帰」。北海道日本ハムファイターズ
の試合中継に注力するのもその表れだ。

 スポーツ番組はもともと人気が高い。08年放映のテレビ番組で最高視聴率を記録した
のはNHKの「紅白歌合戦」だったが、道内に限ると、地元出身の内藤大助選手が王座を
防衛した12月のプロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチの視聴率が「紅白」を
上回ったという。

 日ハム戦中継も高視聴率を維持しているが、実は“両刃の剣”の側面を持つ。「番組の
スポンサー枠を全部売り切ったとしても、放映権料の支払いと制作費分を回収できない」
と地元民放幹部は苦しい台所事情を明かす。だが、「今後の球団との関係を考えれば、
赤字覚悟で続けざるをえない」(同幹部)。

 北海道では「キラーコンテンツ」のウインタースポーツも、他地域では状況が異なる。
その一例がスキーのジャンプ。北海道では2ケタの視聴率を上げるが、首都圏では
1ケタ台前半と苦戦ぎみだ。「全国ネットでは勘弁してください」というのがキー局の
本音だろう。ローカル放映に「格下げ」されれば当然、広告収入減につながる。

>>4以降に続く