(2)中盤でタメが作れない
「もう少しタメができればいいけれど、急ぎすぎてカウンターでやられていた」と長友佑都。
一方の内田篤人も「もう少し中盤でタメを作るというか、キープできる人(が必要)かな」。
ミックスゾーンの別の場所で、両サイドバックが「タメができる人」の必要性について言及していたのは、何とも暗示的である。
中盤でボールをキープし、タメを作ることで両サイドが積極的に飛び出していくという「日本らしさ」が感じられるシーンが、
この試合ではほとんど見られなかった。結局、今回の中盤の構成で、そうした働きが期待できたのは中村憲のみ。
稲本も本田も、時おりサポートに回る動きは見せていたが、
それが効果的だったとは言い難く、各人の役割も最後まであいまいなままであった。
(3)リードされた時のオプションがない
結局、アピールできずに消えてしまった本田に代えて、ベンチは後半18分に香川真司を投入。
さらに13分後には、守備に忙殺されていた岡崎慎司を下げて興梠慎三が起用される。
しかし、岡田監督が切ったカードは、いずれもゲームに劇的な変化をもたらすことはなかった。
香川にしても興梠にしても、いわゆる「コンセプト」を重視しての起用であろう。
だが、リードされた場面でのオプションとしては、まだまだ経験不足の感は否めない。
終了間際には、パワープレーを期待したのか巻誠一郎が送り出されるが、時すでに遅し。
1点のビハインドをはね返すことができず、日本は昨年3月に続いて、またしても敵地でバーレーンに屈することとなった。
記事元:宇都宮徹壱「敗戦の地から持ち帰るもの」(sportsnavi)から一部抜粋
ttp://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/text/200901290003-spnavi_2.html