日本ハムのルーキー大野奨太捕手(22=東洋大)が26日、多田野数人投手(28)の“専属捕手”に指名された。
この日初めてキャッチボールを行ったが、大野の捕球テンポが多田野には合うという。
しかし球界きってのクセ球を投げる多田野を受けるには、まだ越えなければならない壁もたくさん。
公式戦でバッテリーを組むことを目標に、技術を磨く。
「あれはストレートじゃないですよ…」。多田野とキャッチボールを終えた大野がこう口にした。
ブルペンでの投球を見たことはあったが、ボールを受けるのはこの日が初めて。
微妙に動く直球は、プロのレベルを実感するのに十分すぎるものだった。
一方の多田野は「性格もだいたい見えましたし、ボールを返すテンポが速くて自分好み」と相棒に指名する理由を語る。
クセ球に加え、同じ球種でも緩急の差をつけて投げる多田野投法には、確実なキャッチングが必要不可欠。
多田野のボールを受けることで捕手技術も向上するはずだ。
大野も「苦労するかもしれませんね。まずはきっちり受けるところから始めたい」と、呼びかけに応えた。
2人には縁もある。東洋大3年春からレギュラーとなった大野は、当時4年エースだったソフトバンク・大場のボールを
受けることで成長してきた。その大場があこがれたのが、八千代松陰高の先輩にあたる多田野だ。
ドラフト直後、多田野の元には大場から「大野をよろしく」とのメールが届いた。
大野にとって師の師にあたる多田野。公式戦でバッテリーを組むことが目標となる。
この日のスタッフ会議で、キャンプの1軍スタートが決定した。
同学年のダルビッシュとの接し方はまだぎこちないが、梨田監督は「今は新婚旅行みたいなもん。そのうち何とかなるよ」と
放っておくつもりだ。多田野の球をきっちり受け、技術をアピールすれば、ダルビッシュのボールを受けるチャンスも増える。
大野は多田野を突破口に、投手陣に“売り込み”を図る。(羽鳥慶太)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fighters/143298.html 多田野(右)から良い評価を受け、大野の表情にも少し余裕が見えてきた
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