別人に生まれ変わっていた。ブルペンに入った上園に視線はくぎ付け。
ドヨメキとざわつきが進化の証し。新たなフォームを手に入れ、鳴尾浜にがい旋だ。
「JR九州で『こ関節の使い方が大事』という話を聞いてきました。フォーム固めというか、その土台作り。
(軸足で立ったときに)右側のこ関節を意識して、左側へ体重を乗せていくイメージです」
8日から始まった小松、加藤大(ともにオリックス)らとのJR九州での合同自主トレを20日に打ち上げた。
早速ブルペンに入ると立ち投げで25球、捕手を座らせて13球を投げた。
何度も動きを確かめた。プレートに立つと、力を蓄えるように左足を上げる。
へその位置に構えていたグラブも、左足と連動させるように上げた。
自然と左足は遊撃手の方向へ、お尻は捕手の方へと向いた。
野茂英雄氏の「トルネード投法」に近い投げ方だ。本家のように上体をひねり、背中を捕手に
見せることはないが、上園もフォークを武器とする投手。
腰を安定させ、直球に角度をつけることで決め球を生かすための“プチトルネード”だった。
厳しい先発争いが待ち受けている。視察した山口投手コーチは「右(投手)と左(投手)が同じ力の
球を投げていたら、左を優先する」と話す。右投手はより高いレベルが求められる。
ライバルよりも魅力あるボールを投げるために、フォームの改良へ踏み切った。
雪辱の年だ。ルーキーだった2007年は8勝(5敗)を挙げ新人王を獲得。だが、昨季はオープン戦から不調。
シーズン途中に一軍昇格を果たしたが、9試合の登板で4勝(0敗)に終わった。悔しさが右腕を突き動かしている。
「正直、きょうはイマイチ。あっち(JR九州)でやっていたときの方がよかった。いろいろと試していく」
まだ満足できない。勝負をかけるための新フォーム。甲子園に“ミニ野茂”が現れれば、チームはまた強くなる。
サンスポ
http://www.sanspo.com/baseball/news/090123/bsb0901230503002-n2.htm 画像:メスが入った上園の新フォーム。この後、上体をひねって“プチトルネード”に変身する
http://www.sanspo.com/baseball/images/090123/bsb0901230503002-p1.jpg