29歳で迎える“初体験”に心が躍る。ママさんランナーの赤羽有紀子(29)=ホクレン=が、
大阪で初マラソンに挑み、陸上人生の第2章の扉を開く。
「(タイムよりも)勝負に、という方向です。
記録を狙うときと代表の座を獲るときは違うと思うので。勝負優先です」
昨年12月の全日本実業団駅伝で5区11.6キロを36分17秒で走り、
区間賞に輝いた。好調をキープしたままシフトチェンジ。浪速路の試走も昨年のうちに終え、
その後は徳之島で合宿を張り、マラソンへの準備を着々と進めてきた。
家族の思いを胸に抱いて未知の世界へと挑む。
元陸上選手で城西大の同級生だった夫・周平さん(29)と2005年に結婚。
栃木県で農家を営む赤羽の実家に婿養子として迎え、専任コーチとして二人三脚で歩みだした。
「頼もしい夫であり、コーチです」
練習メニューを考えるのも、食事を作るのもすべて夫。
1日2回のマッサージも欠かさず施してくれる。当初はぶつかることもあったが、記録が伸びるにつれ、
信頼感は深まっていった。06年8月には長女・優苗ちゃん(2)が誕生。
新たに子育ても加わったコーチ業を献身的にこなす夫への感謝は尽きない。
昨年8月には5000、1万メートル代表として北京五輪にも出場も果たした。
次は42.195キロで結果を出し、恩返しする番だ。
「プレッシャーはあります。だからこそ結果を残さないと」。結婚、出産、五輪…。
29年分のカレンダーに刻み込んできた記念日に「1・25」を新たに加える。(恵濃大輔)
http://www.sanspo.com/sports/news/090122/spg0901220501000-n1.htm