ボストン・レッドソックスのジョン・レスター投手が21日、ファンを勇気づけた野球人に贈られる
「ハッチ賞」を受賞した。
ハッチ賞はフレッド・ハッチンソン癌研究センターが贈る賞。賞名のハッチ、及び癌研究センターの名にある
フレッド・ハッチンソンは、かつてMLBで監督をしていた人物。シンシナティ・レッズの監督だった1963年の
シーズン終了後、外科医の兄ビルの診断で肺癌を患っていることが発覚、余命1年未満と告知された。
しかしその翌年も指揮を執り続け、45歳の誕生日だった8月12日にドクターストップが出るまでレッズを優勝争い
させた。チームはこの年ナ・リーグ2位に終わり、ハッチは11月12日に死去。ハッチ賞は翌1965年に創設された。
ビルは弟の名を冠した癌研究センターをワシントン州シアトルに創設。同センターはノーベル医学賞受賞者を
輩出するなど世界屈指の研究所として知られる。
ジョン・レスターは2006年8月に未分化大細胞リンパ腫と診断され、同センターに入院。治療の結果、癌を取り除く
ことはできたが体重が激減し、復帰を悲観視された。しかし2007年7月23日のインディアンズ戦で復帰。この年は
ワールドシリーズ第4戦で先発し、勝利投手となってレッドソックスの世界一に貢献した。
2008年は5月19日のロイヤルズ戦でノーヒッターを達成するなど33試合210 1/3イニングを投げ16勝6敗・
防御率3.21を記録。松坂大輔らとともにレッドソックスのローテーションを支えた。
授賞式でレスターは、同センターでの治療最終日の出来事を明かした。この日の検査が終わりベッドに横たわっている
レスターのもとへナースが近づき、彼にボールを手渡した。そのボールには、彼の治療に携わった同センターの
スタッフのサインがあったという。レスターは、トム・シーバーやノーラン・ライアンなどのメモラビリアをこれまで
収集してきたが、スタッフからのボールはそのコレクションのどれよりも大きな意味を持つ、と語った。
ソース:Lester honored for dedication, courage
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090121&content_id=3762106&vkey=hotstove2008&fext=.jsp