官公庁や多くの企業が仕事納めを迎えた26日、トラック大手の「いすゞ自動車」で働く
約820人に上る派遣労働者は、「契約打ち切り」の朝を迎えた。年末年始のため、
失業給付を年明けにならないと受け取れない人、妻子とともに来月14日には社員寮からの
立ち退きを求められている人……。「自分たちは切り捨てられたということなのか」。
同社の工場ではこの日、多くの派遣労働者が不安と怒りを抱えながら、最後の勤務のため門をくぐった。
いすゞ自動車栃木工場(栃木県大平町)で、今年5月から派遣労働者として勤務してきた
中谷和憲さん(37)はこの日朝、会社への不信と生活への不安を抱えたまま7か月間通った
工場に向かった。
派遣会社からは次の仕事先を紹介してもらえず、雇用保険の申請に必要な「離職証」すら
事務手続きに時間がかかるため、年が明けてからしか受け取ることが出来ないからだ。
北海道出身の中谷さんは派遣会社の寮に住みながら、エンジン部品の研磨作業に従事してきた。
働き始めた当初は手取りで22万円あった給料もここ数か月は14万円ほど。
寮の家賃や自動車ローンの支払いなどで貯金もままならなかった。
いすゞ自動車が、派遣労働者と期間従業員計約1400人の契約を今月26日で打ち切ることを
表明したのは先月19日。中谷さんは2日前に打ち切りを通告され、以来、朝食はご飯と卵、
昼食は社員食堂で260円の日替わり定食、夕食は豆腐1丁という切り詰めた生活を続けている。
ハローワークを通じて製造業や運送業など数社の面接を受けても、なしのつぶてだ。
(後略)
*+*+ YOMIURI ONLINE 2008/12/26[**:**] +*+*
http://www.yomiuri.co.jp/national/kishimu/kishimu081226.htm