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【野球】大橋巨泉「WBCは100年後もサッカーW杯のようにはなり得ない」「途中で消える可能性も」
週刊現代 [2008年12月13日号] 今週の遺言 大橋巨泉 第9回
所詮「宣伝」と「先行投資」のWBCにギンギラギンになるなよ!
オーストラリアに来て2週間が経ったが、一番不思議なのが、WBC(ワールド・
ベースボール・クラシック)に関する記事が、ただの一行も見られないことだ。勿論
この国では、ラグビーとクリケットが二大スポーツだが、野球だって無い訳じゃない。
メジャー・リーガーだって何人も居るし、シドニーでもアテネ五輪でも日本が苦杯を
なめた程の力はあるのだ。にもかかわらず、新聞、テレビ、ラジオ、インターネット
等々、メディアにはWBCのWの字すら出て来ない。
そういえば、ボクのパソコンに入っている、USATODAYやNYタイムズなど
アメリカやカナダのメディアにも一向に登場して来ないのだ。原辰徳監督に決まる
までのスッタモンダに見る如く、大騒ぎしてるのは、わが日本国だけのようである。
アメリカではまだ監督も決まってないし、現役監督の起用など考えられまい。
ところが日本では、NHKをはじめ、いろいろな番組で、アナウンサーが「野球の
世界一を決めるWBC」などと世迷い言を述べている。WBCに勝てば世界一
なのか、誰もそう思っていない。ワールド・シリーズを制したフィラデルフィア・
フィリーズが(今年の)世界一のチームだと考える人が、ほとんどである。
(28年前の'80年にフィリーズが世界一になったシリーズをボクは見ている!)。
たしかに、王ジャパンが第1回を制したことは、それなりの意義がある。
特にイチロー、福留をはじめとする大リーガー達にとっては、ひとつの「勲章」
だろう。しかし肝心の日本のプロ野球のレベルは?と考えると、心は暗くなる。
ラミレス(MVPだそうだ)、カブレラ、ローズら、毎年ホームランや打点の
タイトルを取る外国人は、みなメジャーのレギュラーにはなれない選手なのだ。
これはメジャーで現役の5番バッターだった、ウォーレン・クロマティーが
巨人でも5番を打っていた時代から見ても、後退こそすれ前進はしていない。
>>2以降に続く
>>1の続き
そもそもWBCは、世界一など決めるものではなく、アメリカのプロ野球機構
のプロモーション(宣伝)であり、将来への投資として始めたイベントなのである。
理由はハッキリしている。グローバル化の進みつつある世界で、野球は余りにも
ローカル・スポーツだからである。極言すれば、北米、中米と北東アジアでしか
通用しないスポーツだ。もうひとつのアメフトに至っては、北米だけと言っても
過言ではない。今や政治や経済の面でも、唯一のスーパーパワーの地位が
危うくなっているアメリカの、世界戦略の変化なのだ。
解り易い例をあげる。アメリカのメガ・スポーツ企業であるナイキの'80年代の
顔は、マイケル・ジョーダンであった。バスケットボールは世界中で行われている
スポーツで、エア・ジョーダンというシューズは世界的ベストセラーとなった。
ジョーダンが年齢とともに衰え出した時、ナイキが選んだ顔は、野球のバリー・ボンズ
でもなければ、NFLのジェリー・ライスでもなかった。彼らは巨大マーケットである
EUでは、ほとんど無名だったから。次は御存知のように、タイガー・ウッズであった。
ゴルフはアングロ・サクソンのスポーツだったが、バレステロスやソレンスタム、
ヴィジェイ・シンなどの出現で、今や世界中で行われるようになっている。
ゴルフは早くから手を打って来た。カナダ・カップ(現ワールド・カップ)の創設が
1953年だというから、WBCは半世紀以上遅れている。第5回の'57年に中村寅吉、
小野光一の日本チームは並みいる強豪を破って優勝、トラさんは個人のタイトル
も取った。これが日本における第一次ゴルフ・ブームの発火点になったのだから、
今やかなり軽視されがちのこのイベントも意義を果して来ていると思う。かつては
アメリカ対イギリスの対抗戦だった「ライダー・カップ」を対ヨーロッパと枠を拡げ、
更に対世界という「プレジデンツ・カップ」を新設するなど、欧米のゴルフ機構は、
宣伝と投資を計っている。
>>以降に続く
>>の続き
従ってWBCは、ゴルフのカナダ・カップとして捕えるのが正しく、もっと
リラックスして参加すれば良い。2年前イチローが韓国チームに対して「向う
30年くらい勝てないと思わせる」云々の発言をしたが、ああした態度はやめた
方が良い。所詮はプロモーションであり、先行投資なのだ。本当に本気?なら、
調整途上の3月にやる訳がない。大体この企画は、50年前には成立しなかった。
アメリカの圧勝で終りだったろう。今やメジャーもチーム数が増え、外国人
選手が中心のチームさえある。これを出身地で分けたのがWBCなら、第1回
でアメリカが負けても一向に不思議はないし、それこそがプロモーションに
なろう。ただそれがテンション民族の日本だったのはやや問題だったが……。
もう一度頭を冷やして考えた方が良い。WBCは「世界チャンピオン」を決める試合
ではなく、考えようによっては、「本当の野球」とさえ言えない“お遊び”なのだ。
ルールを見れば解ろう。投手は予選は何球まで、決勝でも何球までと投球数を
制限されている。そんな野球がありますか? これは調整中の選手に対する
セーフティー・ネットで、そうしなければユニオン(組合)がOKしなかったし、
大金を投じているオーナーも反対しただろう。だからあくまで“オープン戦”
だという前提で、第1回の監督はマルティネスであったのだ。断言しておく。
WBCがサッカーのワールドカップのようには百年経ってもなり得ない。
それどころか途中で消えてしまう可能性すらある。だからリラックスして臨もう。
監督はカネやんでいいじゃないか。
ソース
http://up.mugitya.com/img/Lv.1_up80706.jpg 参考サイト
http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG7/20081201/19/