1年でJ1復帰、立て直しは量販店流…本谷社長に聞く
今季、独走優勝でJ1復帰に花を添えた広島。1シーズンでの鮮やかな返り咲きの
陰には、家電量販店「デオデオ」(本社・広島県廿日市市)やJ2草津の経営などに
手腕を発揮し、「立て直し屋」の異名を取る本谷(もとたに)祐一社長(54)=写真=
の奮闘があった。(山口博康)
就任は、J2降格が決まった直後の昨年12月。デオデオの持ち株会社の社長との
兼務で球団経営に専念できなかった久保允誉(まさたか)前社長から、「常勤で陣頭
指揮を」と指名された。1998年から広島の事業本部長を務め、6期連続赤字だった
クラブを黒字に転換。2005年には、Jリーグ理事でもある久保前社長の意向で
Jリーグに出向し、草津の取締役となって経営再建に道筋をつけた。
「クラブ運営も家電販売と基本は同じ。無駄を省き、お客さんに満足していただくこと
を考えればいい。今季の最優先目標は、1年でのJ1復帰。赤字覚悟で取り組んだ」
ペトロビッチ監督の続投、選手年俸の維持を表明した久保前社長の路線を継承。
日本代表FW佐藤寿ら主力選手の慰留に成功し、1月の天皇杯準優勝、3月の
ゼロックススーパーカップ優勝で、チームに勢いを取り戻した。
運営面では、パート職員を含む約40人のスタッフと2週間かけて面談。主催試合の
1か月前には観客の動員予想と目標を立てて集客戦術を練った。選手を起用した街頭の
電光掲示での広告回数を増やし、広島市内でチームを応援してもらう「PRサポート
ショップ」を募って店頭に球団旗を掲げてもらった。
「降格にもかかわらず、観客動員(開幕からの主催21試合)は昨季を2万人上回る
23万人に増やすことができた。企業経営の要は人。人材を育てないといけない。
だから、選手の年俸には切り込まず、職員一人ひとりと情報を共有した」
続きは
>>2-10あたりに
ニュースソース YOMIURI ONLINE
http://osaka.yomiuri.co.jp/sp_j_kansai/20081202ks01.htm http://osaka.yomiuri.co.jp/photo/sports/KS20081202093616174L3.jpg >>1からの続き
31歳で家電量販店の店長を任され、系列のゴルフ場支配人も経験。「現場主義」は
今も変わらず、試合と前々日練習には必ず顔を出す。今季からファンクラブ会員を対象に
意見交換会「サポーターズ・カンファレンス」を始め、クラブの成績、経営状況に
ついての説明も行った。
「お客さんからヒントをいただく。現場にこそダイヤモンドがある。来季はJ1残留では
なく、中位から上位を目指す。『(見る)人の心も動かす』サッカーで、感動を提供したい」
(2008年12月2日 読売新聞)