巨人・上原、また勝てず…3試合で5被弾、戻らないエース勘
今季初めて原監督が、マウンドへ向かった。「代わろう」。上原は小さくうなずき、
ガックリ肩を落とした。
また、勝てなかった。3試合目の先発は最悪の結末。五回無死一塁、森野に四球を
与えたところで、降板した。4回0/3を8安打6失点で2敗目。
ベンチでは、青ざめた表情で宙を見つめた。
「何もない…。以上」。球場通路でこう言い残し、足早にバスに乗り込んだ。女房役の
阿部も「投球動作にいつもの力強さがなかった」と続いた。それでも降板後、上原と
2人で話し合った原監督は言った。「彼は『コンディションは悪くない』と言っていた。
だったら『次、いくぞ』と伝えた」。最も信頼するエースに対し、こんな励ましの
言葉をかけることになろうとは…。指揮官もさすがに渋い表情だ。
それだけ内容が悪かった。2点リードの四回、森野への初球の135キロ直球は
ど真ん中へ。“一発病”に気を付けて登板したはずが、リーグワーストタイとなる、
今季5被弾目を右翼席に運ばれた。
自慢の制球力も影を潜め、この回は荒木、井端へ連続四球。2者連続四球は05年
6月17日のロッテ戦以来。直球も最速139キロと本来の投球とは程遠い内容となった。
借金「3」で臨んだ中日戦。上原、内海、グライシンガーの先発3本柱で借金を完済する
計画だったが、借金「4」に増えた。首位・阪神との差は今季最大の「6.5」まで開いた。
上原と巨人に大きな試練が訪れた。(伊吹政高)
上原の制球について巨人・香田投手コーチ
「審判(球審)と合わなかった。いいところに行っていたけど。あんなに四球を出す投手
じゃないんだけどな」
上原の不調について巨人・伊原ヘッドコーチ
「一番いいときの上原を見ているからなぁ…。球速表示が134や135(キロ)じゃ、つらいわな」
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200804/bt2008041610.html どうした上原。今季最短の五回途中KOを喫し、ベンチで天を仰いだ(撮影・榎本雅弘)
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200804/image/080416bt20080416102_MDE00364G080415T.jpg