愛のパワーは底知れない。3月下旬にシドニーで開催された競泳の
オーストラリア選手権で、男子自由形のイーモン・サリバンが
五十メートルで世界記録を連発。ハンサムな22歳の恋人の活躍に
触発されてきたという19歳のステファニー・ライスも女子個人メドレーの
2種目で世界記録を破った。
地元メディアによれば2人が恋に落ちたのは2006年の英連邦大会という。
サリバンはことし2月に21秒56で五十メートルの世界記録を8年ぶりに更新した。
恋人から電話で快挙を知らされたライスは「自分も世界記録を出したいと
強く思った。覚悟すれば、どんな目標も達成できると気付かせてくれた」と感謝する。
意欲を膨らませた07年世界選手権銅メダリストは3月22日の四百メートルに続き、
25日の二百メートルでは1997年に中国の呉艶艶が出した2分9秒72を0秒80
塗り替えた。AP通信に「想定外。ずいぶん前にできた記録だったから、
誰の記録か知らなかった」と声を弾ませた。
「速く泳ぐのが好きだし、進歩し続けたい」というサリバンも黙っていない。
27日に21秒41、翌28日には21秒28と世界新を連発。2人そろって
北京五輪代表に選ばれた。
サリバンはパース、ライスはブリスベーンに拠点を置く。直線距離で約3500キロの
遠距離恋愛だ。デートも大会後の休日などに限られるが、五輪を控えて今の練習環境を
変える予定はない。サリバンの料理が好きというライスは「五輪の後は一緒に旅行もできる。
重圧もなくなるわ」と屈託なく笑った。
http://www.asahi.com/sports/spo/KYD200804050001.html