【野球】異色の元メジャーリーガー多田野数人の素顔 「周りの人に見せてしまうと悪いので。まだグロテスクなんですよ」

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逆輸入ルーキーの素顔は…

 先日、札幌ドームで新入団選手の紹介が行われた。オープン戦前のイベントだったが、移籍選手だけでなく、
ドラフト指名された新人も全員が顔をそろえた。その中に、左手首骨折で出遅れている異色の逆輸入右腕の姿
もあった。メジャー経験のある多田野数人投手(27=3Aサクラメント)だ。

 1月の自主トレ中に転倒し、不運にも左手首を骨折した。正式な診断結果は「左橈骨末端の骨折と脱臼」。
決して軽いものではなかった。プレートを埋め込む手術を行い、2軍の練習に合流したものの、今でもリハビリを
続けている。即戦力として期待していただけに、本人だけでなくチームも痛かった。

 多田野不在だったキャンプでは、高卒の大型スラッガー中田が連日、注目を浴びた。大卒の左腕宮西も実戦
向きの投球を披露。オープン戦では本拠地のお立ち台を早くも経験し、ファンに名前を売った。異色の
元メジャーリーガーだけに本来なら話題を集めるはずだが、他の新人より、なかなか新聞記事になる機会が
少ないのが現状だ。

 中田や宮西の性格、人間性は少しずつ分かってきた気はするが、ベールに包まれた多田野の一面もようやく
垣間見た気がした。その新入団選手の紹介を行った試合前の練習が、背番号16の札幌ドーム初練習だった。
初対面となった梨田監督や主力選手へのあいさつはもちろん、面識が1、2回の記者に対しても、丁寧にお辞儀
して歩いていたのが印象的だった。

 練習中、左手には保護のための厚手の手袋をしていたが、本人が真っ先に挙げたのは次の理由だった。
「周りの人に見せてしまうと悪いので。まだグロテスクなんですよ」。徐々に回復に向かっている左手首だが、
故障部分が人の目に触れ、気分を害することに気を使っていた。紆余曲折で日本球界にやってきた右腕は、
気配りの人に感じた。

ハム番記者 村上秀明
http://www5.nikkansports.com/baseball/hamban/04murakami/20080309_57646.html