予期していなかった光景に、昼下がりのレジェンズ・フィールドの観客席から歓声が上がった。
ユニホーム姿の松井秀がマスコットバットを手に打撃ケージへ向かう。
ジラルディ新監督、ブライアン・キャッシュマンGM(40)らが見守る中、フリー打撃を敢行した。
「(トレーナーから)もし打てるのならフリーのメンバーに入っているから、といわれて。
とりあえずやってみようとやりました」
前日14日(同15日)に行った4カ月ぶりのティー打撃から24時間もたたないうちに、
屋外でぶっつけのフリー打撃。昨季(143試合で打率.285、25本塁打、103打点)は
両ひざを深く曲げて重心を低くしていたが、両ひざを伸ばし気味にスッと立ち、自然体で構えた。
「いろいろとやってみようということです。今年はまず、この形を試してみようと思って」。
巨人で自己最多の50本塁打をマークし、タイトルを獲得した2002年を思い起こさせる
新フォームで37スイングし、サク越えは3本。今キャンプから新設された真新しい右翼席にヤ軍で初めてアーチをかけた。
フリー打撃前に受けたノックでは急な動きへの不安を見せたが、
打撃に関しては昨年11月の右ひざ手術の影響を感じさせなかった。
「よかったね。ひざをかばうそぶりもなく、力強かったよ。ヒデキには“焦らないでやれ”と言ったんだ。
他の野手が来ていないうちから飛ばさなくてもいい、とね」とジラルディ監督。
レギュラー争いに向けての「プレキャンプ」のはずが、いつの間にか本当の「キャンプ」となった。
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