http://www.asahi.com/special/071005/TKY200802070412.html 角界で続けられてきた「かわいがり」という名のけいこが、節度を失ったしごきとなり、
若者を死に至らしめた。暴行を加えた前親方と兄弟子らが7日、愛知県警に傷害致死容疑で
逮捕された。時津風部屋の序ノ口力士だった斉藤俊さん(当時17)=しこ名・時太山=は
急死の前日、「兄弟子が怖い」と実家に電話で訴えていた。
名古屋場所の番付が発表された昨年6月25日。斉藤さんは朝から新潟市の実家へ
電話を繰り返していた。「いい子になるから迎えに来て。何でも言うこと聞くから」
「兄弟子が怖い」と言って電話は切れた。
10分後、受話器から別の男の声が聞こえてきた。「本人をつかまえた。連れ戻す」。
部屋を抜け出していた斉藤さんは兄弟子の木村正和(24)、伊塚雄一郎(25)両容疑者に
押さえこまれ、携帯電話も取り上げられていた。
同日夜、ちゃんこの席で、前時津風親方の山本順一容疑者(57)は酔っていた。
斉藤さんを正座させ、額をビール瓶で殴った後、兄弟子たちに「お前らも教えてやれ」
と指示したとされる。
「根性を入れ直します」。そう言って、藤居正憲容疑者(22)が斉藤さんを連れて行った。
愛知県警によると、3人の兄弟子は支度部屋や宿舎裏で計30分にわたって暴行した。
鉄砲柱に縛り付け、平手で何十発も顔をはたき、木の棒でも激しく打ち据えた。
斉藤さんは悲鳴を上げながら、無抵抗だったという。
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