アビスパはどう生まれ変わるのか。
今季、就任2年目となるピエール・リトバルスキー監督(47)の下で
J1昇格を目指すJ2福岡は15日、始動する。
その新生アビスパのキーマンが千葉、横浜FC、フランス2部グルノーブルなどで
強化担当を歴任した田部和良ゼネラルマネジャー(46)だ。
昨年11月に就任し、15選手に戦力外通告するなど大胆な改革に着手した、
らつ腕GMにアビスパ再建のプランを聞いた。
――昨季終了後15人を解雇した。その狙いは?
田部 多くの選手を解雇したが、その分、残った選手は年俸が上がっている。
出場機会のない選手なら違うチームに行くことで伸びるかもしれない。
どちらが選手のためかということになる。プロとして当然のこと。
それから、競争意識を作りたかった。
昨季の正GK神山は良い選手だけど、もっと伸びてほしいから吉田と競争してもらう。
――補強のポイントはどこにあるのか?
田部 1つはゴール前の決定力。昨季は本来FWではないアレックスが点を取っていた。
それが問題でもあった。昨季は第1クールは狙い通りの攻撃ができたが、
第2クール以降は相手にひかれ、相手の前で横パスをつないでいるだけになった。
打開するためにターゲットになるFWが必要だった。
黒部は昨季結果が残せなかったが、日本代表にも入ったし能力は高い。話してみると頭の良い選手。
ハーフナーも若いけれども、クレバーで自己主張のしっかりできる選手。
経験を積めば結果を出せる。大久保も化ける可能性がある。
――守りの選手も加入したが?
田部 決定力と同じくらい重要視したのが後ろからのコーチング(声で指示すること)。
吉田も、ルダンも経験があってコーチングができる選手。
昨季の福岡は後ろから指示する選手がいなかった。ゲームが動いて、相手の流れになった時に、
こっちに流れを引き戻せる強いパーソナリティーを持っている選手がいなかった。
(
>>2-5へ続く)
http://www.sponichi.co.jp/seibu/column/special/kijilist.html 【サッカー/Jリーグ】福岡、スタミナ切れ克服へ水飲め! 選手に“マイペットボトル”常備指令
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1202319007/l50 (
>>1の続き)
――確かに昨季は終盤に失点して負ける試合が多かった。
田部 フィジカル強化も課題。その意味でクレア・コーチの加入は大きい。
彼は06年W杯でヒディンク監督の下、オーストラリア代表のコンディショニングを担当して
「残り20分で勝てるチーム」を作りあげた。日本代表もそのフィジカルにやられた。昨季は
第1クールはコンディションが良かったが、第2クール以降は練習の負荷が軽すぎてフィジカルが落ちた。
J2は試合数が多いから、次の試合を気にして軽めにしてしまう。そのへんも改善してもらう。
――篠田コーチ、藤川GKコーチらコーチ陣も刷新した。
田部 チームの中でもっと意見をぶつけあって、ディスカッションをしてほしい。
藤川も篠田も、ものを言えるコーチ。日本人選手の気持ちというのは、日本人しかわからない。
それを監督に伝えるのは日本人コーチの仕事。
彼らには「監督に対しても言うことは言ってくれ」と言っている。
昨季は監督が日本人選手の気持ちをくみ取れていなかった。逆に監督の考えも伝え切れていなかった。
選手にも言ってほしいし、コーチ間でも意見をぶつけあってほしい。
――では、どういうサッカーを目指すのか?
田部 外から見ていて九州のサッカーといえば激しいサッカーという印象だった。
国見も鹿児島実もフィジカルが強く激しいサッカー。福岡の人もそういうサッカーが好きだと思う。
ピッコリ監督(00〜01年に指揮)の時に人気があったのも、そういう激しいサッカーをやっていたから。
そういうアグレッシブで、激しいサッカーをベースにして監督のカラーを出していけたらいい。
――ただ昨季結果が出なかった。リトバルスキー監督も戦術を変える必要があるのでは?
田部 昨季と同じサッカーでは勝てない。
昨季は見ていて面白いサッカーをやっていたが、それではJ2では厳しい。
攻めている時はボールをキープしてつないでいく従来のスタイルでいいが、ボールを奪われたら、
いったんDFラインを下げて裏のスペースをつかれないようにしたい。
守りのしっかりしたサッカーでJ1昇格を目指したい。
(以上)