県主催競輪委託1年目 1日平均3100万円減 売り上げ前年度割れも
民間委託による運営が本年度から始まった県主催の競輪事業で、大宮、西武園
両競輪場が昨年四月から十二月までの車券の売り上げは一日当たり二億四百万円
で、前年同期比三千百万円の落ち込みとなっていることが二十八日、分かった。
インターネットなどによる場外販売は八十九億円で同比七億円伸びたが苦戦は
否めず、委託一年目の売り上げは前年度に届かない可能性が出てきた。
県はさいたま、熊谷など六市の開催分を継承。公営ギャンブルのコンピューター
システムの開発・保守管理を担う「日本トーター」(東京都港区)に五年間の契約で
委託、大宮と西武園の両競輪を単独開催している。
県県営競技事務所によると、二〇〇六年は四月から十二月にかけてレースが
計百六日開催され、延べ約四十八万二千三百人が入場。計二百四十九億円を
売り上げた。これに対し委託運営が始まった本年度の同期は、九十四日間の
開催分の入場数が延べ三十九万九百人にとどまっている。一日平均入場者数も
〇六年の四千五百五十一人から四千百五十九人に減った。
場外発売の同期売り上げは八十九億円で前年同比七億円増加したが、自場分は
百九十二億円と、同比五十四億円のダウンとなっている。同事務所は「前年度とは
レース内容が異なるなどの要素も影響しているのでは」としつつ「特に本場開催の
売り上げは厳しい」と明かす。
日本トーターには場外車券販売を含む売り上げから、事務経費と開催側の券に
支払う保証金を差し引いた分が収益となる。県に支払う収益保証金は最低三億
七千万円とした上で、総売り上げの0・85%と設定されており、県が赤字になること
はないという。
同社は別の競輪場のレースをモニター放映したり、インターネットでライブ中継したり
して集客や売り上げの向上を目指している。県も全国トップレベルの選手が出場する
G1レースを西武園競輪場で今年十二月六―九日に開催することを決めた。
同事務所は「来場者の高齢化やレジャーの多様化が進む中で、若者に来場して
もらえるような仕掛けをつくりたい」と説明する。
引用元
http://www.saitama-np.co.jp/news01/29/04p.html