6日、大リーグのウインターミーティング(米テネシー州ナシュビル)が終了し、
ヤンキース、松井秀喜外野手(33)のトレード論議は、含みを残したまま年末の
ストーブリーグに突入することになった。トレード拒否権に守られながらも、ヤ
ンキースの来季構想では、第4の外野手に追いやられている日本球界最大のスター。決断の冬となるのか−。
疑惑の本塁打王バリー・ボンズの退団で、左の主力打者が欲しいジャイアンツへの
トレード話など、今オフの松井移籍の噂は絶えない。自他共に納得しきれない成績とチームの不振、
信頼するトーリ監督の交代など、ヤンキースでの松井を取り巻く環境は厳しさを増している。
ヤンキースの来季外野手構想では、デーモン、カブレラ、アブレイユの3外野手が定位置を占める予定。
DHにもジアンビらがいるため、松井の立場は安穏としたものでないことは明らかだ。
現時点で、ヤンキースの来季開幕先発オーダーに、松井が名前を連ねることができる保証はどこにもない。
一方で、投手力補強を今オフ補強の目玉にしているヤンキースだけに、来季の外野手編成は流動的な要素もある。
サンタナ(ツインズ)などの有力投手のトレード獲得で、デーモン、カブレラのどちらかを
放出する可能性があり、その際には松井が正左翼手に繰り上がる可能性が。
他選手のトレードの絡みで、松井の立場は大きく変わってくることになる。
>>2つづく
http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=8814 それでも松井の立場が厳しいことに変わりはないだろう。地元紙の評価も手厳しい。
「ヤンキースはデーモンをトレード要員として放出するより、
松井を放出したいと思っている。カブレラも残したいと思っている。
しかし、各チームは、松井よりもデーモンやカブレラの獲得により興味を持っている」(ニューズデー紙、7日)。
日本球界屈指のスラッガーの権威と、日本の野球ファンの夢が
しぼんでいくような危機感が漂う。また、ウインターミーティング会場を去った
ヤンキースのキャッシュマンGMは、「楽観的な話は現時点ではない。すぐに成立するようなトレードはない」と話した。
松井のトレード成立の実現性は、まだ不透明だ。
松井トレード成立のイニシアチブを持っているのは、ほかならぬ松井自身だ。
トレード拒否権を持つ松井は、これを破棄しない限りトレードが成立することはない。
逆に松井が首を縦に振れば、松井のトレードは大展開する可能性がある。
松井の選択肢は大きく分けて2つしかない。
世界一の人気と歴史を誇るヤンキースで、もう一度正位置争いをしてポジションを獲得する道を選ぶか。
それともジャイアンツなどの新天地に移って、“江戸の敵を長崎で討つ”発想に切り替えるか、だ。
http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=8814