16歳対決がヒートアップしてきた。フィギュアスケート世界選手権は20日、東京体育館で開幕。
23日のSPを前に浅田真央(16=中京大中京高)は20日、試合会場で練習したが、キム・ヨナ
(16=韓国)が視察に来たため、ジャンプ練習を取りやめ手の内を隠した。そのキム・ヨナも
腰の痛みを訴えながらイナバウアーを3度も披露するなど、浅田陣営をけん制した。
見えない火花が散った。午前11時すぎ、練習を始めた浅田の視線が、会場に現れた
キム・ヨナをとらえた。フリーで使用するハンガリー舞曲「チャルダッシュ」が流れ、浅田は
滑り始めた。だが、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も、3―3回転ジャンプも見せない。
それどころか、今大会に向けて円形から直線に変更したステップ、手の振りを変えた
スパイラルもなし。曲がかかっていた4分間は、ついに1度もジャンプはなかった。
優勝候補として注目される浅田が新プログラムを見せれば、すぐに相手コーチによって
分析され、それ以上の技をプログラムに組み込まれる可能性がある。「(敵に)全部を見せる
必要はないでしょう」。見守った関係者が話したように、キム・ヨナを意識した明らかな
“手の内隠し”だった。曲が終わった後の練習では22回のジャンプ、トリプルアクセルも
8度試みて4度成功したが、最後まで新プログラムは明かさなかった。
一方、視察を終えたキム・ヨナは、浅田について「うまいですね」と答えた。
直前のカナダ合宿で痛めた腰は「あまりよくない」としながら、練習では前日に続いて
イナバウアーを3度、2―3回転の連続ジャンプも見せた。地元ソウルの「韓方病院」の
主治医を呼び寄せ1日2回の治療を受けるなど、23日の本番へ照準を合わせている。
2人の直接対決は2勝2敗。東京で実現する5度目の対戦を前にムードが高まってきた。
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2007/03/21/01.html