>>1のつづき
しかし、日本人選手が三都主ひとりでは日常生活に不便を感じたり、ホームシックに
かからないとも限らない。そこで12月初旬になって宮本にオファーを出した。
「宮本は英語はペラペラだし、仏語もそこそこいける。クラブの公用語はドイツ語だが、
これも宮本の明晰な頭脳を持ってすれば、すぐに日常会話くらいはこなせるようになる。
外国語習得が不得手な三都主の通訳をやったり、悩みの相談相手になったり、
宮本はそういった役回りを求められている」(前出の記者)
こういった事情に宮本自身も薄々気づいているようで周辺には
「オレの能力、本当に買ってくれているのかな?」といぶかっているという。
「それでも宮本が移籍を決意したのは、引退後の生活設計と無関係ではない。
欧州の三流リーグとはいえ、経歴にハクがつく。宮本は引退後、サッカー協会会長、
ひいてはFIFA(国際サッカー連盟)会長も視野に入れている。それで“欧州組”の
肩書にこだわったのです」(前出の記者)
顔に似合わず、なかなかしたたかだ。
【了】