契約更改交渉が決裂し、退団が決定したオリックス・中村紀洋内野手(33)について、
球団が西武にトレードによる譲渡を申し入れていたことが10日、分かった。
前日(9日)に中村は残留の可能性を主張していたが、球団サイドはこの日、改めて
「こちらは(慰留を)断念」と最後通告。編成サイドも中村の後任探しに着手し始めた。
国内、メジャー移籍が厳しいなか、受け入れ先を韓国、台湾など、アジアのプロリーグに打診する可能性も出てきた。
深夜まで続いた去就のゴタゴタ騒動も、結論は変わらなかった。
「交渉? こちらは(慰留をすでに)断念していますから」疲れ果てた表情で
機谷(はたたに)俊夫球団代表(44)が、前日と同じ言葉を繰り返した。
前夜、退団報道に慌てたノリが緊急会見で交渉継続を強調。
だが、すでに球団は、正式に受け入れ先を探す段階に入っていた。
西武の球団幹部はこの日、オリックスからトレードを含めた獲得打診があったことを明かし
「球団としては突貫的な補強よりも、育成を重視したい」と、消極的な姿勢を表明した。
もはや退路は断たれた。緊急会見から一夜明け、最後通告を聞いた代理人の茂木立(もぎたて)仁弁護士(39)は、
この日の午後7時過ぎに報道陣を通し「まだ交渉は継続中」と再び反論したが、残留の道は残されていない。
すでに営業サイドは、球場へ来たファンへのプレゼントなど、ノリ関連グッズの製作ストップを検討。
11日には編成会議が予定されているが、宮田編成部部長は「ノリの穴の補強がテーマにあがるでしょう」と断言。
球団の「中村退団」は、もはや不動だ。
現段階で国内移籍は厳しく、メジャーも年齢と故障歴がネックとなり、
ドジャース傘下の3Aラスベガスに移籍した2年前より、ハードルは高い。
渉外担当者は「本人のプライドの問題があるが、韓国や台湾への打診もないわけではない」と、
アジア各国への移籍も示唆。押し問答を繰り返したノリが、窮地に追い込まれた。
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20070111-OHT1T00090.htm