不退転の決意や-。阪神・岡田彰布監督(48)が指揮官として、1年勝負にこだわる姿勢を示した。
18日、大阪市福島区の阪神電鉄本社で宮崎恒彰オーナー(63)にシーズン終了の報告を行い、
席上で来季の続投要請を受諾。今後、契約年数など詳細を詰め正式契約する予定だが「そら当然、
1年勝負よ」ときっぱり。闘将として男気を見せた。
使命はV奪還。リーグ優勝を明け渡し、連覇の夢が途絶えたときから「また、ひとつ目標が
できたのは確か」と気持ちを切り替えた。宮崎オーナーとの直接会談を終え、心を新たにした。
ストライプのダークスーツに身を包んだ岡田監督は、引き締まった表情で会見に臨んだ。
言われずとも、自分の立場は理解している。ここ4年間で2度のリーグ制覇。今季は連覇を
逃したとはいえ、終盤の猛追撃もあり84勝で“史上最強の2位”となった。阪神がグループを挙げて
目指す「常勝軍団」への階段を着実に上っている。だからこそ、求められるものが高くなることを
自然に受け止めている。
「3年でチームを作るというような、長期ビジョンでやっていくチームじゃないやろ。勝負できる
チーム力なんやから1年1年が勝負なんよ。そういう意味やろ。そら当然、1年勝負よ。それだけの
ことよ」
岡田監督の手腕に対する球団からの評価は高い。宮崎オーナーが「9月以降の追い上げが
あまりにも見事だったので、その印象しか残っていない」というほどの猛チャージで、評価はさらに
上がった。今後、牧田球団社長との交渉で複数年契約などのオファーがあってもおかしくない
状況だが、指揮官の興味はそこにはない。
すでに来季の構想も練り始めている。05年Vの原動力となったが、昨季はそろわなかった
JFKについて「久保田に関しては白紙の状態。勝ち試合に投げられる投手は、調子が
ええ悪いではなくいつでもいけなあかん」とテコ入れを明言。原則全員参加とする地獄の
秋季キャンプで、さっそく競わせる方針だ。
どうすれば覇権を取り戻すことができるのか。逃して改めてわき上がるVへの渇望。「来年にいい
目標ができた。常勝チームを作ってまた挑戦したい」。猛虎の将は不退転の決意で07年の戦いに
挑む。
http://www.daily.co.jp/baseball/2006/10/19/0000143272.shtml