【文学】村上春樹氏に2006年のフランク・オコナー国際短編賞・カフカ賞に続く快挙
植草
僕は自分のやったことについて振り返ってみた。
酒を飲み、電車に乗って、女子高生を見つけ、触った。
そこにはある種の必然性があった。
いや、女子高生を触ることが目的ではない
女子高生を触るまでの過程が重要なのだ。
僕は言った
「刑事さん」
「なんだ?」
「僕が女子高生を触ってないと言ったら信じますか?」
「いや、誰も信じないだろう、君は手鏡を使った前科があるからね」
「確かに僕は手鏡をつかったかも知れない、しかしそれは身だしなみを整える為だったんだ。」
「いいかい?身だしなみを整えるのに女子高生の後ろにいくやつがあるかい?つまり君はパンツをみようとしたんだ。」
「パンツを見たかもしれない、しかしそれは副次的な出来事であって、主としての目的は身だしなみを整えることだったんだ
ねぇ刑事さん、身だしなみっていうのはとても重要なことなんだ。自動車でいうミラーみたいなもんさ、それが無くては運転は成立しない
それなしで車道にでるのは危険すぎる、そうは思わないかい?」
「また鏡か、君は鏡がすきなんだな。」
やれやれ、僕は思った。