【サッカー】「平山の“負け惜しみ”、その裏にあるもの。」[09/20]

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あまりにも情けない幕引きだった。
1年間にわたって平山の通訳をしていた人物は、戦力外になった理由をこう説明する。
「今季の練習が始まった初日に、全てが決まりましたね。ブルート新監督が、平山が
太っていること、オランダ語を話せないことに激怒したんです」

昨季までヘラクレスの監督は、元ジェフ市原のペーター・ボスが務めていた。
平山の獲得に動いたのはボスだし、入団以来、常に平山のことを気にかけてくれていた。
しかし、プロの世界で、いつまでもそういう甘い環境が続くわけがなかった。
ボスのヘラクレス強化の手腕が高く評価され、フェイエノールトに引き抜かれたのである。
新監督の下では、当然のことながら平山は特別扱いされなくなった。

もしかしたら、平山は1年目にボスの好意に甘えすぎていたのかもしれない。
昨季、平山が太ることがあっても、マクドナルド禁止令が出るくらいで、それが解雇に
つながることはなかった。

平山は帰国してからというもの、「オランダに馴染めなかった」、「オランダ語を話すのは
無理」と、情けないコメントを繰り返しているが、オランダ時代の平山を知る人なら、彼が
本心を語っていないことはすぐにわかるはずだ。
オランダ時代の通訳氏は言う。
「戦力外になったショックを、相太は必死に隠そうとしている」

平山はオランダ人の友人を作っていたし、カーニバルなどのイベントがあるとチームメイト
と一緒に遊びに出かけた。
「サッカーに集中するために、ヘアワックスをつけないようにしてるんです」と決意を語った
こともあった。
目標に向かってひたむきに走り続けた時間を、本気で否定するわけがない。
今は負け惜しみを連発しているかもしれないが、それは体内でうごめいている悔しさの
現われだと思いたい。
ヘラクレスの試合のコーナーキックの時、平山は相手DFを両手で思いきり突き飛ばして、
自分の居場所を確保していた。
日本人の縦社会に入っても、オランダで身につけた荒々しさを発揮していければ、再び
ヨーロッパへの扉が開くだろう。

▼goo-NumberWeb [欧州を行く] 平山の負け惜しみの裏にあるもの。 (木崎伸也)
http://number.goo.ne.jp/soccer/world/euro/20060920.html