朝日新聞社は各都道府県高校野球連盟に加盟する硬式野球部の指導者を対象に、
指導上の留意点や体罰の有無などの意識を尋ねるアンケートを実施した。
全国の4214校が対象で、回答数は2528(回答率60%)。
指導の中で「心の育成」を最も重視するとの回答が8割に達した。
一方で、体罰を容認する回答は6割にのぼり、体罰をふるった人のうち、その効果を
肯定的にとらえる指導者も6割を超えた。
他方、昨夏に全国選手権出場校などの不祥事を受け暴力追放の通達を出した日本
高校野球連盟の姿勢を妥当と考える指導者も6割を超える。
指導の上で重視していることを尋ねたところ、「心を育てる」が80%を占め、「チーム
の勝利」(5%)、「技術を伸ばす」(4%)を大きく引き離した。
体罰と考えることをしたことがあるかとの問いには「一度もない」と答えたのは30%。
「かつてした」63%、「最近もした」が7%だった。
ただ、ふるったことがある人のうち「最近も」は1割にとどまり、「かつて」が9割だった。
年代別では若年層で、体罰をした人の割合が低い。
体罰への認識では「どんな場合でも許されない」が39%だったのに対し、「やむを得
ない」「必要だ」があわせて60%。
一方、日本高野連の「暴力はいささかも許されない」との姿勢については、「妥当だ」
とする指導者が64%にのぼり、「厳しすぎる」の16%を大きく上回った。
日本高野連の脇村春夫会長は「現実を示すデータとして真摯(しんし)に受け止めた
い。ただ、かつては『愛のムチ』をよしとする時代だったが、今は違う。指導者自ら意識
を変える努力が必要だ」と話している。
▼朝日
http://www.asahi.com/edu/news/OSK200606040030.html