五輪メーン会場“二正面作戦”で 会場の8割、都心10キロ圏に
東京都が招致を目指す二〇一六年夏季五輪について、八万人収容のメーン
スタジアムを神宮外苑の秩父宮ラグビー場(港区)の場所に建て替えるか、中央区
晴海や江東区夢の島の空き地に新設する“二正面作戦”の構想が検討されている
ことが三十一日、分かった。室内競技は日本武道館(千代田区)や国技館(墨田区)
など既存の施設を活用。都心の半径十キロ以内に競技会場の八割以上を集約する
「コンパクト五輪」を目指す。
国際オリンピック委員会(IOC)は開催都市の選考で、半径十キロ圏内に配置される
競技施設の割合を重視する。一二年五輪開催地のロンドンは65%で、招致に敗れた
パリは68%だった。構想では80%台後半を目指しているという。
構想によると、主な競技は日本武道館で柔道、国技館でボクシング、東京国際
フォーラム(千代田区)で重量挙げ、東京ドーム(文京区)で自転車競技などの開催を
想定。水泳競技については、江東区有明の東京国際展示場への仮設プール建設も
検討されている。
また、お台場などの埋め立て地ではビーチバレーやトライアスロン、馬術、射撃
などが想定されている。
選手や関係者ら一万五千人以上が宿泊するとされる選手村は、既に埋め立てが
終了している有明北(約三十一万平方メートル)などが候補として浮上。六年後に
移転予定の東京都中央卸売市場築地市場(中央区築地)の跡地はやや規模が
小さいが、高層化で対応する案もあるという。ロンドン五輪では選手村から三十分
以内に行ける競技施設は三割程度だが、東京では大半の施設が含まれるという。
一方、世界に「東京」を発信する取材拠点のメーンプレスセンターは築地市場跡地
や中央区晴海、江東区青海などが検討対象になっている。
一六年の五輪招致には福岡市が立候補し、札幌市も関心を示している。
関係者は「都心の半径十キロに、これほど多くの鉄道駅がある場所は、世界にない」
と、招致レースでの勝利に自信を示した。
引用元
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060201/mng_____sya_____005.shtml