阪神・安藤優也投手、理髪店『ヤング』で決意の丸刈り

阪神安藤優也投手（２８）が最多勝争いへ決意の丸刈りだ。２６日、２７日から始まる
沖縄合同自主トレのため恩納村の宿舎ホテルに到着するやいなや、宿舎前の理髪店で頭に
バリカンを入れ、長さ１センチに整えた。肺がんのため２３日に亡くなった元スカウト、
高木時夫氏（享年６９）の葬儀に参列した翌日、キャンプ地で見せた決意表明だ。

沖縄の宿舎到着から１０分も経たない間に安藤は驚きの行動に出た。徒歩３０秒の距離にある
理髪店「ヤング」に入るとすぐに理容師に予想外の髪型を告げた。

「丸刈りにして下さい」

阪神の安藤であることにすぐに気付いた具志堅勇二さん（３４）は意外なリクエストに一瞬、驚きの
声を挙げた。だが安藤の目をつぶり、黙り込む姿に決意の固さを感じ取ったという。

長さ１５センチほどあった髪の毛は、バリカンで１０分刈り（長さ１０ミリ）にまで、ばっさり
切り落とされた。もみ上げだけは残した。

今月中旬の米国アリゾナ自主トレから「むこうの人を威圧するため」と伸ばしてきたヒゲは
そらなかった。およそ３０分間、料金は２０００円。まるで高校球児のような頭髪に、無精ひげ…。
オリックス清原に引けをとらない威圧感たっぷりのド迫力投手の出来上がりだ。

「気合の丸刈り？　いやあ、恥ずかしいですね。気分ですよ、気分。もういいじゃないですか」と
語るのみ。照れもあるのだろう。突然の変身の訳を安藤は話したがらなかった。

だが理由は推測できる。２５日、名古屋市内で元スカウト高木時夫氏（享年６９）の葬儀に参列した。
「あの人がいなければ、僕は阪神に入っていなかった。『自分の力を信じろ』と
励ましてくれたからここまでこれた」と涙を流した。弔いへの強いの思いを、何かの形で
表現したかったに違いない。

２７日から沖縄合同自主トレが始まる。安藤にとっては副選手会長として初めて迎えるキャンプが
目の前に迫る。先発スタッフを支える右腕の頭を見れば、連覇を目指す虎戦士の士気も
上がるはずだ。背番号と同じ「１６勝」を挙げて最多勝争いを。自ら設定した目標を必ず実現する。
シャイな男が考え抜いた末に行動に移した０６年シーズンの“出陣式”だった。

http://osaka.nikkansports.com/otr/p-ot-tp1-060127-0013.html