【野球】松井WBC断念、２週間の壁…　中学時代の恩師「本当は出たかったはず」

　ヤンキースの松井はなぜワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）出場を辞退したのか。
中学時代に鬼コーチとして指導した能美市（旧根上町）職員の高桑充裕さん（４１）が、松井の胸の内を代弁した。

　「辛かっただろうし、悩んだと思います。
ＦＡで渡米したときは自身を『裏切り者』とまで言いましたが、あのときと同じくらい難しい決断だったのでしょう」

　松井は年末に日本代表の王監督に便箋（びんせん）１５枚の手紙を渡し、出場辞退を伝えた。
しかし高桑さんは、「日本を代表して海を渡ったという彼のプライドを考えれば、本当は出たかったはず。
シーズン終了後のイベントなら何の支障もなかったはずなのですが…」と指摘した。

　高桑さんは、松井のＷＢＣ出場を阻んだ最大の壁を厳しい日程にあったと見る。
「もしも出場したら日本の４番として、それこそ毎試合ホームランを期待される。
しかしＷＢＣに万全の状態で臨むのは不可能だった」と言う。なぜか。

　「２月下旬にヤンキースのキャンプが始まり、ＷＢＣまで約２週間しかない。
日本では、特に石川に帰省している間は寒いのでランニング程度しかできず、
本格的なトレーニングはキャンプイン後になる。
たった２週間で１００％にするには、大変な無理をしなければならないのです」

　ヤンキース１本に賭けた今季の松井に対する高桑さんの期待は大きい。
「地元石川のファンは、全日本だろうとヤンキースだろうと松井個人を応援しています。
今まで以上の素晴らしい活躍を見せてほしいです」

http://www.zakzak.co.jp/spo/2006_01/s2006010401.html