戦力外通告を受けた選手らを対象にした12球団合同トライアウト(入団テスト)が25日、
神戸市のスカイマークスタジアムのサブ球場で行われ、前阪神の久慈照嘉内野手(36)ら
48選手が参加した。阪神は、前広島・石橋尚至内野手(23)の獲得を検討していることが判明した。
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晩秋の神戸サブ球場のネット裏。虎の『14の瞳』が、熱い視線を送っていた。
2度目のトライアウトでは、異例ともいえる編成をはじめ計7人が結集。
福原、吉竹両守備走塁コーチまでもが、駆けつけていた。
戦力外通告を受けた48選手が、シートノックやシート打撃で最後のアピール。
中でも阪神が注目していたのは、広島を戦力外になった石橋。
ドラフトで補強した野手は1人だけ。67人と選手枠も空いていることから、
トライアウトでの獲得を検討していた。
今年プロ5年目の石橋は俊足のスイッチヒッター。長打もあるうえ、23歳という若さも魅力だ。
昨年は右ひざじん帯損傷で手術を受けるなど故障に悩まされ続けてきたが、完治。
今季は一軍出場こそなかったものの、ウエスタンで44試合に出場した。
視察した福原コーチは「いいやつは何人かいた」。黒田編成部長も「きょうはほとんど
野手をみていた。何人かはいい選手がいた。石橋も含めて、いろいろ意見を聞いて、
決めていきたい」と前向きに話した。
この日のシート打撃では2打数無安打1四球に終わったが、石橋は「きょうはやれることは
やった。今年はチャンスがなかっただけで、自分の中ではまだまだやれる」と
自信をのぞかせた。巨人、ヤクルトも獲得を狙っており、争奪戦からも目が離せない。
★久慈が健在ぶりアピール
阪神を戦力外になった久慈が2度目のトライアウトに参加。
シート打撃では長崎(前ロッテ)から右前打を放ち、3打数1安打。
守備でも健在ぶりをアピールした。
「もしかしたら、これでユニホームは最後になるかもしれない。
結果は出ないより出たほうがいい。あとは待つのみです。悔いなくできた」。
コーチ就任を断ってまで現役に固執したが、このまま引退の可能性も出てきた。
http://www.sanspo.com/baseball/top/tig200511/tig2005112603.html