小林九段、カド番をしのいで初の1勝 囲碁名人戦第4局
朝日新聞社主催の第30期囲碁名人戦七番勝負の第4局は12日午後5時21分、
259手までで黒番の挑戦者・小林覚九段が張栩(ちょう・う)名人に3目半勝ちした。
3連敗していた小林挑戦者はカド番をしのいで初の1勝をあげ、対戦成績は張名人
の3勝1敗となった。持ち時間各8時間のうち、残り時間は名人2分、挑戦者1時間
40分。会場は名古屋市中区の名古屋東急ホテル。第5局は19、20の両日、神戸市
北区の御所坊で。
形勢判断の難しい碁を、挑戦者が厚みを働かせてものにした。
2日目の左辺の攻防で挑戦者が築いた厚みが全局に波及。右辺から中央に戦線
が広がる中、挑戦者が放った中央上の黒75ツケから黒79切りが強烈で、主導権を
握った。
右辺の攻防で黒111アテが紛らわしく、検討室で「形勢不明」との見方も出たが、
最後は挑戦者が手堅く逃げ切った。
解説の小県真樹九段は「序盤の黒41カケは勇気のいる手。挑戦者の良さが出た
一局です。中盤まで白のペースかと思っていたが、左辺黒の厚みが効いた」と話した。
〈張名人の話〉
序盤が良くなかった。いい勝負になったかと思う局面もあったが、難しかった。
〈小林九段の話〉
思い切って打ったのが良かった。終盤下辺199オサエで勝ちが見えた。
引用元
http://www.asahi.com/culture/update/1012/018.html