iTunesミュージックストアが人気である。サービス開始4日後に発表された
ニュースでは、既に100万曲を販売してのけたという。
ここは「4日間で100万曲」という数字に驚くべきところなのだが、スティーブ・
ジョブズ氏の発言を元に計算すると、日本のほかの音楽サービスでは1カ月で
だいたい50万曲を販売しているということになる。筆者は逆に、これまでの日本の
音楽ダウンロードサービスでさえ、月に50万曲も売れていたことに驚いた。
値段も高く、DRMが不便なサービスであっても、これだけの顧客がいたわけである。
月に50万曲という数字は、試しにちょっと買ってみた、というレベルを超えている。
おそらく日本市場の特性からすると、J-POPのシングルが主流であろうと予測するが、
音楽を買う手段として確実にオンライン販売の利便性に人々が気付いたと見ていい。
今さらと言われるかもしれないが、オンライン販売の利便性とはなにかということをもう
一度おさらいしてみると、「検索性」、「即時性」、「値頃感」の3つであると考えられる。
平たく言えば、「目的の曲を」、「今すぐ」、「音楽CDよりも安く」入手できるということである。
特にシングル市場が未だに根強く存在するJ-POP中心の日本においては、このメリットは
享受しやすい。そしてこの点こそが、旧来の音楽ダウンロードサービスでも月に50万曲も
売れた理由であろう。すなわち厳しいDRMがあっても関係ないような音楽、あるいは聴き方
というのは、音楽を消耗品として扱うということにつながる。いわゆるコンビニの便利さと同じなのである。
例えばコンビニで買うもので、「これは多分一生使うだろう」というものがあるだろうか。
そうではないはずだ。コンビニとは生活に必要な消耗品を買うところなのである。
音楽がそれだけ日用品となったことは、音楽産業にとっては喜ばしいことだろうが、すでにJ-POPは
消耗品であるという事実を裏付ける結果と見るべきであろう。
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http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0508/22/news004.html