現在、パリを拠点に活動を続け、エレクトロニカ以後に登場した女性アーティストとして海外でも高い評価を受けるツジコ・ノリコと、
日本のみならず世界にそのファンを持つビート・クリエーター、リョウ・アライ。これまでライヴなどで共演したことはあるが、
本格的なコラボレーションが本アルバム『J』によって初めて実現した。
ベーシックとなるトラックをツジコ・ノリコが制作し、最終的にリョウ・アライがエディット&プロデュースすることで完成した
全10曲は、これまでの二人のどの作品とも異なる、新たな世界を作り出している。
脆く淡い魅力を湛える声質で、しなやかで伸びやかなヴォーカル・ラインを生みだすツジコ・ノリコの歌は、
シンプルで儚く美しいリリックをこれまでにないほど堂々と表現していく。そして、歌の輪郭を際立たせ、
深みを加えるようにビートを刻みつけていくリョウ・アライのプロダクション・ワークも、これまでのインスト・オンリー、
あるいはラップ・トラックでのそれとは大きく異なるものだ。派手さを封印したエディットは逆に狙い澄ました
精巧なスキルを際立たせる。個性溢れるヴォーカルと秀逸なトラックのコンビネーションから生まれた音楽には、
良質なポップ・ソングに共通する、懐かしさを覚えるような感覚もしっかりと刻み込まれている。
◆公式(試聴アリ)
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