長野県で26日に開幕する知的障害者のスポーツ大会「スペシャルオリンピックス(SO)冬季世界大会」に
出場するイラク選手団13人が24日、宿泊先の同県安曇村のスキー場で雪遊びをした。
大会前に選手、役員らが民家や公共施設に泊まり、地域住民と交流する「ホストタウンプログラム」の一環。
テロによる混乱が続くイラクから丸2日かけて来日した選手らは、笑い声を上げながら雪合戦やそり遊びを
楽しんだ。
スノーモービルで引っ張るゴムボートの上に乗る「スノーラフティング」を体験したモハメド・ハニさん(22)は
「こんな遊びはイラクにない。とても面白かった」と興奮していた。
「イラクには電気、水、燃料、仕事とすべてが足りない。安全と呼べる場所はない」とファウジ・ムスタファ・ア
スマン選手団長(44)。
選手らはバグダッドからヨルダンのアンマンまで陸路で20時間、さらに26時間をかけて来日した。移動中
はほとんど眠れなかったが「母国が大変な状況だからこそ、頑張りたいという気持ちでいっぱいです」と同団
長は述べた。
イラク選手団は全員男性で、体育館の床で行うフロアホッケーに参加。22日から安曇村のペンションに滞在
し、地元小中学生とホッケーで交流した。宿泊先のアルパインミズシロの宮原理さん(53)は「みんなとてもフレ
ンドリー。元気に過ごせる手助けをしたい」と話した。
http://www.sanspo.com/sokuho/0224sokuho054.html