鎌倉時代から池田町水海(みずうみ)地区に伝わる国指定重要無形民俗文化財「水海の田楽能舞」が
15日、鵜甘(うかん)神社に奉納され、謡(うたい)や囃子(はやし)にのせた優雅な舞が境内を埋めた
約400人の見物客を魅了した。
1250年ごろ、鎌倉幕府執権の北条時頼は、越前から美濃に向かう行脚の途中、
大雪のため同地区で立ち往生してそのまま一冬を過ごした。村人は「田楽」を舞って時頼を歓迎し、
時頼はそのお礼として「能舞」を教えた−−というのが田楽能舞の由来とされる。
奉納を受け継いでいるのは、同地区住民でつくる「水海の田楽能舞保存会」。
きらびやかな衣装に身を包んだ舞人(まいびと)が、1年ぶりに神社御殿から出された能面を着け、
太鼓や笛の音に合わせ、ゆったりした動作の舞を披露。五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「祝詞(のっと)」など
田楽4番、夫婦円満や長寿を祝う「高砂」など能舞5番を舞った。
翁、千歳(せんざい)、三番叟(さんばそう)が登場する能舞の「式三番」で、
昨年に続き千歳を演じた池田第一小6年田中亮祐君(12)は「楽しみながら謡い、舞うことができた」と話していた。
(佐藤美恵)(2/16)
写真:能舞「式三番」で千歳を演じる田中亮祐君=池田町水海で
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