【将棋】女流棋士・高橋和さん、自叙伝に綴る「アイドル」の素顔【写真あり】

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端正な顔立ちで、「アイドル棋士」とも呼ばれる高橋和(やまと)さん(二五)。だが、そんな雰囲気からは想像もつかない“過去”がある。

四月に出版した自叙伝「女流棋士」(講談社)で、四歳のときに経験した壮絶な交通事故と闘病生活、棋士になってからの苦悩をつづった。
「あまり打ち明けたことがないので衝撃はあったでしょうね」と語るように、読者の反響は大きく、発売一カ月で重版が決定、棋界の話題をさらっている。
事故ではトラックにひかれ、片足切断の危機に見舞われた。肉を削られた左足首へ右足の肉を、すねには腰の骨を切り取って移植。歩行に問題はないが、足首にはケロイド状の傷跡が残り、足の長さは左右で違う。
後遺症と闘いながら、生来の負けず嫌いに火がついたか。父の勧めで始めた将棋に熱が入り、十四歳でプロになった。

あどけない少女は「棋界を支えるスター」とアイドル扱いされ、新たな苦悩が始まった。
テレビ対局の聞き手やイベントなどに引っ張りだこ。「『タイトルなんか獲らなくていい。かわいければいいの』とまで言う人もいた」
人気に劣らぬ成績を…のプレッシャーから、「対局前夜には動悸(どうき)がして眠れなくなった」。吐き気も襲い「自律神経失調症」と診断された。障害を抱える娘の将来を案じていた母親に苦しむ姿を見せたくない、と十八歳のとき家を出た。
そんな娘に母は一冊のノートを渡した。三カ月の入院中、母がつけていた日記だった。
《長い長い先のある体。許されはしないが、本当にごめん》。事故の日、公園で遊ぶ和さんを迎えに行けなかったことを母は責め続けた。
《どうぞ私の命と引きかえに、和のかわいい足をおすくい下さい》
「明るくおしゃべりな母が、これほど苦しんでいたとは…」。涙があふれた。

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