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名無しさん@恐縮です:
前略
しかし、奇妙やったなぁ、テレビつけても新聞開いても、いかりや長介だらけ。追悼の意は表するけど、
それほど騒然とすることかなぁ?
長島茂雄の報道もそうやったけど、日本全体が悲しんでるみたいな勝手な盛り上がりがなんともキショい
んや。どこの国の御大臣様の葬式かと、いやー恐れおおかった。私、思わず、テレビ消してました。
で、「8時だョ!全員集合」っていうシロモノが、時代を築いたとか何とかと、殊更に評されていたけど、
果たして本当だったか、疑問に思う。
確かに最高視聴率は50%強。でもあの番組に集合したのは、子供以外に果たしてだれだったのか、やね。
まだ一家に1台しかテレビのなかった時代、なぜ土曜の8時だけガキ子供にチャンネル権があったのか。
考えてみるに「全員集合」は、世の親どもがテレビに「子守」をさせる名案を覚えた、その走りだったと思う。
全共闘運動でデモの若者らが警官を殴り殺すというのを目の当たりにした60年代後半、大人どもが子供の叛乱
を恐れはじめたそんな時代に登場したのが、壁がバーン、床がスコーン、水がバシャーのあの番組だった気がする。
俗悪番組とか言われながらも実はまったくの無菌密室だったあの真空のような45分間。親が一斉にオヤツを与える
ように子供たちを集合させ、代わりに宿題をさせたのか歯を磨かせたのか・・・ま、想像力のないヌル〜い子供らを
育てるのに見事に役立ったわけです。
72年に浅間山荘事件が起ころうが、75年にサイゴンが陥落しようが、まったく社会とは無縁のコントだけを見せ
続けられた子供たちが今、何をしているのか。年金も払いません、イラク派兵にも無関心、北朝鮮知りません、ヌル
いテレビを眺めることぐらいか。
ま、今回の御大臣級の葬式の過熱報道のおかげで、あの弛緩しきったズルズルの退屈極まる昭和の絶望の果ての様な
番組から、ナアナアの時間共有は絶対しまいと逃亡するように暮らしていた人間こそ実はたくさんいたんだというこ
とを思い返した。考えたら、江角マキコも集合してた世代やったね。
アサヒ芸能4/8号 井筒監督の毒舌ストレート時評 「アホか、お前ら!」より