オカルトや社会に起こる非合理な現象の解明、マスコミや教育機関への非合理
主義の批判・啓蒙などを行っている学際的な団体、「ジャパンスケプティクス」
(「超自然現象」や疑似科学を科学的・批判的に究明する会=安斎育郎会長)は、
3月20日発行の機関誌「NEWSLETTER 53号」で、先日、最高裁が決着をつけた「ジャ
ニーズ事務所・セクハラ記事訴訟」の問題を取り上げている。
メディアがそろってこの問題の報道に消極的な中で、学術的団体が正面から切
り込んだことは極めて異例だが、画期的なことといえる。
機関誌では、「科学と社会の事件簿」という草野直樹・同会副会長の連載記事
の中で、「『ジャニーズ事務所・セクハラ記事訴訟』報道に見られるマスコミの
『商品タブー』」と題して、1600字余りを使って、タイトル通り、ジャニーズ問
題を報道したがらないマスコミを批判。それをマスコミが抱える「商品タブー」
であるとしたうえで、
「マスコミの誤りというのは『間違ったことを報じる』だけでなく、『必要なこ
とを報じない』ことも含まれる。そして後者の多くは、いくつかの『タブー』に
縛られていることが原因となっている」
と、商業マスコミの本質的な弱点に迫っている。
同会は、主に心理学者たちによって血液型性格判断に科学的根拠がないことを
明らかにしたり、フィリップ・クラース氏により、ニューメキシコ州のロズウェ
ルでUFOが撃墜されたといわれる「ロズウェル事件」が真実ではないことを発表
したり、人面魚やサイババといったその時々の話題の「オカルト的現象(人)」
を科学的に解明したりしてきた。
最近では、脳障害を抱える幼児がドーマン法というリハビリで天才的な能力を
獲得したなどとNHKが報じ、物議を醸した「奇跡の詩人」問題にいちはやく科学
的立場から批判の声明をあげ、話題になった。
過去の記念講演には、「バカの壁」がベストセラーになった養老孟司氏や、カ
ルト教団の問題に取り組む江川紹子、紀藤正樹氏らも参加している。
http://plaza.rakuten.co.jp/geinou/diary/2004-03-20/