ボクシングのトリプル世界タイトルマッチが6日、
さいたまスーパーアリーナで行われ、
WBC世界スーパーバンタム級王者オスカー・ラリオス(27)=メキシコ=に挑戦した、
“沖縄の星”仲里繁(31)=沖縄WR=は、昨年4月と同様に0―3の判定負け。
しかしラリオスが王座返上の意思を固めていることに加え、
仲里の勇敢な戦いぶりが関係者の間で高く評価されたことから、
王座決定戦に出場する可能性が急浮上した。
終了のゴングが鳴った瞬間に仲里は両手を突き上げた。
左腕に豪打を携えて、王者の荒々しい攻めと最後まで真っ向から向き合った。
その戦いぶりに観客も惜しみない拍手を送った。
年間最高試合を獲得した昨年4月以来の再戦。
「凄くモチベーションが駆り立てられて燃えることができた。
結果は負けたけれど、試合までの流れはパーフェクトだった」
敗北は潔く認めたが、体の中には充実感も残った。
前回の対戦であごを粉砕した必殺の左フックは警戒され、
なかなか自分の距離に持ち込めない。
だが5回に左でラリオスの右まぶたを切り裂くと、
6回には右ストレートの連打を浴びながらも、左フックを振り抜いて王者をぐらつかせた。
手に汗握るスリリングな試合は仲里の真骨頂だった。
勇敢な試合ぶりは次なるチャンスを呼び込む。
ファイトマネーに不満を抱くラリオスは、
世界的な人気者であるマニー・パッキャオ(25)=フィリピン=との対戦を熱望。
王座を返上してフェザー級転向が確実だ。
王座が空位となれば、
決定戦出場に最も近いのは仲里であるのは関係者の一致した見方だ。
今後については「ちょっと休んで気持ちの整理がついてから考えたい」と言葉を濁したが、
中真茂会長(51)は、
「王座は空位になる。またチャンスが来るんじゃないか」と世界再挑戦に意欲。
セコンドについた元WBA世界スーパーフェザー級王者・上原康恒氏(53)も、
「まだまだチャンスはある」と沖縄出身の後輩に期待を寄せた。
世界戦連敗は飛躍へのステップ。
頂点への挑戦権が与えられる日は近い。
引用元
http://www.sponichi.co.jp/battle/kiji/2004/03/07/01.html