【音楽】格安CD逆輸入、規制めぐり激論 業界と消費者団体対立
本間氏のサイトより。まだパブコメ出してない人はこれを参考に!
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パブリック・コメントの書き方について、官僚体験者としていくつか気がついたことを書いておこう。
1. 「2003年12月9日文化審議会報告書に対するコメント」と明示すること。
2. 先にも書いたが、タイトルとターゲットは「『日本販売禁止レコード』の還流防止措置」だ。
官僚的に考えると「レコード(CD)輸入権」はもう過去の争点だということになる。
3. 箇条書きにしたほうがいい。担当官はコメントをバラバラにして争点ごとにまとめるからだ。
4. あまり法律論に深入りしないほうがいい。官僚は自分が法律の専門家だと思っているので、
侮辱されたように感じるだろうし、論争してもどうせ水掛け論になるからだ。むしろ生活者の
実感が尊ばれる。
5. ひとりで同じコメントを何通も出すの(水増し票)はよくない(業界は女房子供の名前まで
使ってやってくるかもしれないな−−著作物再販のときのように)。担当官は必ず名寄せをする。
もっとも、ちがう内容でなら何回出してもかまわない(とくにすでに「輸入権」で出した人は
「『日本販売禁止レコード』の還流防止措置」と訂正しておいたほうがいい)。
6. 偽名やペンネームはぜったい不可。「無職」でも恥ずかしがることはない。自由人なのだ
ご参考まで、私が書こうと思っているコメントのレジュメを下記しよう。
1. 輸入盤が入らなくなるのは困る。輸入盤コーナーで1枚1枚みて掘出物を探す−−私の
至福の時が失われる。同じ曲でも国内プレス盤よりずっと安い。国内でライセンス生産している
曲は、世界で制作された曲のほんの一部にすぎない(Amazonでも同じこと−−返品や廃盤が
早すぎ−−レコード業界の構造のほうに問題がある)。同じ曲で輸入盤は正規規格なのに、
国内プレス盤はCCCDという欠陥規格しかないことがある。レコード業界は「輸入は止めない」と
言っているらしいが、全く信用できない。業者間でそんな申し合わせをしたら独禁法違反だと
公取委が言っている。
2. 東アジアでのライセンス生産盤を、現地で安売りして日本への還流を禁止すること−−さらに
そのとばっちりで現地のヒット曲(最近いいのがある)の輸入も止まってしまうこと−−は、とりも
なおさず東アジア諸国間の文化交流をさまたげることになる。韓国がJポップ禁輸を解除すると
いうのに・・。これから東アジア共同体を作ろうとしているときに、文化面での市場分割−−
鎖国政策は歴史的な逆行だ。
3. 業界(報告書)は、東アジアでのライセンス生産盤が日本へ還流するとアーティストが困ると
いうが、そんなことはない。CDが安ければ、私たちはもっともっと買う。ほしいCDがあっても、
ほかの娯楽とくらべて高いから買わないでいるうちに、だんだん音楽熱が冷めてくる自分を
感じている。
4. 業界(報告書)は、CDの還流防止を米欧がやっているというが、そもそも米欧でのCDの
値段は安いので、日本がまねをする理由にはならない。とくにEUは域内(5月から25か国)では
自由流通なので、各国の輸入権もEUの譲渡権ディレクティブも、共同体内の結束を固める
ために使われているので、アジアから断絶して閉じこもろうという日本の『日本販売禁止
レコード』の還流防止措置は、FTA時代に逆行する狂気の沙汰というほかはない。
598 :
名無しさん@事情通:03/12/20 20:17 ID:Hd3zET4E
5. 業界(報告書)は、日本だけが持っているレコード再販制は本件と関係ないといっているが、
法律的にはともかく(キャリアの役人は法律職が大部分で、経済が分かっていない)、
経済的には密接不可分である。両方ともやめるべきだ。
書籍の貸与権についても思いついたことを書いておこう。
1. コミックは好きだが、レンタルがなくなったらそのぶん買うとは思わない。いい機会なので
コミックを卒業しよう。といって文芸書を読むわけではない。書物離れだ。楽しみはほかに
いくらでもある。なんでも著作権でガチガチ守ると、お客はどんどん離れていく。
2. 貸本は江戸時代からある古いビジネスだ。江戸町人文芸は貸本の産物だ。貸本業は時代に
よって業況の消長はあっても、日本の出版文化の歴史的な基盤のひとつになっている。
文化政策は継続性が重要なので、その時々の矮小な利害や思いつきで変えてはいけない。
3. 日本のすぐれた漫画家や劇画家はみんな1950年代の貸本文化の中から生まれたのだ。
貸与権の強行は悪いほうへの文化大革命になる可能性がある。
4. 私は濫読なので、本が天井まで積みあがってしまい、これ以上置くところがない。本を買っても、
中身がたいしたことがないと、駅のくずかご(最近全然ないが・・)に捨ててしまっている。
貸本屋や図書館でざっと読んで、再読の価値のあるいい本だけ買って保存する方針に
切り替えるつもりだ。
5. TRIPS協定の貸与権はデジタル・コピーを前提としたもので、超アナログの書籍などだれも
考えていなかった。