サッカーの2006年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会に向けた
アジア地区予備予選が23日、アフガニスタンの首都カブールで行われた。
アフガニスタン国内でサッカーの国際公式試合が行われるのは、少なくとも
1979年のソ連侵攻以来で25年ぶり。
アフガニスタン―トルクメニスタンの第2戦となった試合は、トルクメニスタンが
2―0で勝ち、2試合得点計13―0で、アフガニスタンのW杯1次予選出場の
可能性はなくなった。
しかし、旧タリバン政権が処刑場に使っていた国立競技場には、アフガン人
約2500人が集まった。競技場のあちこちにいまだ弾痕が残り、ピッチの芝生も
あちこちがはげている状態だが、カルザイ大統領の大きな肖像画が掲げられた
スタンドに集まった観衆は、代表チームがボールをミッドフィールドに運ぶたびに
大歓声を上げた。
スタンドにいた18歳男性は「僕たちはまだ弱いが、神は偉大だ。いつの日か、
ワールドカップに出場して、ロナウドのブラジルと試合してみせる」と希望を口にした。
会場警備にあたった22歳警官は「とても嬉しい日だ。ここは旧政権が処刑場として
使っていた場所。しかしスポーツは平和の使者だ」と語った。
代表チームのMFアリ・アフマドさん(19)は、「自分と、自分の国のために、
すごく誇らしく思っている」と話した。
アフガニスタン国内でサッカーの公式試合が最後に開かれたのは、1979年の
ソ連によるアフガン侵攻以前のこと。代表チームにとって最後の国際試合は
1984年だった。また1996年に権力を掌握したタリバンはサッカーを禁止した。
アフガンの代表チームが国際試合に復帰したのは、昨年9月末。
韓国・釜山で開かれたアジア大会でイランやカタール、レバノンと対戦。
FIFA(国際サッカー連盟)の公式ランキングに復活した。現在アフガニスタンは、
203カ国中198位。
http://cnn.co.jp/sports/CNN200311240010.html