【映画】北米公開 「千と千尋」が善戦[09/23]

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155『大天才』松本人志、千と千尋を語る
ようやく『千と千尋の神隠し』を見ました。正直、ショックでした。
 昨年公開された当時、この連載でもふれましたが、
周りの人からいくらすすめられても、
「絶対見ない。宮崎駿は僕とは違うところにいる人だから、
見てもしようがない」って言い続けてたんです。
 でも、今回たまたまDVDが手元にあったので、あれだけ絶賛されてるし、
日本の映画の興行記録を塗り替えたくらいの作品だから、
見れば何か感じるものがあるかもしれないと思って見てみた。
 それが思ってた以上に何にもなくて、ショックを受けました。
どこがいいのか、さっぱりわからない。
世間と自分の感覚に、ここまでギャップがあるのに驚きました。
 僕は決して、最初から「文句を言ってやろう」と思って、見てはいません。
みんなが「いい」って言ってるものを「とりあえずくさしてしまえ」
っていうのには、もう自分でも飽き飽きしてるんです。
やっぱりいいところも見つけて、と思うような年齢になってますから。
 今回も変な先入観を捨てて、「ちゃんと判断しよう」
と思って見たのに、誉めようがない。
始まってすぐ、おやじとおかんが大事な娘をほっぽり出してまで、
自分勝手に食い物に夢中になる心理がもうわからなくて、最初から入っていけなかった
156『大天才』松本人志、千と千尋を語る:02/10/08 15:46
 結局、全編にいろんなキャラクターをばらけさせて、
客はどれかにひっかかるんやろうっていうやり方なんですかね。
客をちょっとなめて、つくってる感じですね。
 それなら、それでいいんです。
「世間っていうのは、この程度のものでいいんや。
松本よ、そんなことはオレもわかっているがな」ってことなら、
宮崎駿もなかなかの人物やと思います。
それは本人からは、口が裂けても言えないでしょうが。
 そうじゃなくて、本当にこれを面白いと思ってるとしたら、僕にはさっぱり理解できない。
子供に何かを伝えたいということらしいですけど、その発想がわからない。
 なぜ大人が子供に何かを伝えたり、楽しませないといけないのか。
子供なんて、楽しいものを自分らで見つけ出す動物です。
大人がつくって、与えてやる必要なんてどこにもなくて、
お互いにとって何もプラスにならない。
子供はこういうもので、大人はこういうもの、と決めてること自体が、
それこそ子供だましな話ですよ。
 きっとそこが、僕が宮崎アニメを受け入れられない根本的な理由のような気がします。
僕は、子供に受け入れられるものをつくる気もないし、
本当はそういうものを見たくもないし、評価するのも嫌です。
 僕自身はといえば、子供のころは、子供向けのマンガを見るよりも、
大人の話をずっと聞いてたり、大人が見るドラマを見てましたから。
ある意味、ずっと子供のままで、成長してないんですけどね。