ソフトのセキュリティホールを悪用しようとするハッカーに頻繁に遭遇しているMicrosoftは
8月14日、ゲーム開発者たちに、今やPCゲームが犯罪のターゲットになっていると警鐘を鳴らした。
「World of Warcraft」などの大規模マルチプレイヤーゲーム(MMOG)が人気を博したことで、武器や
呪文などゲームを進めるアイテムの購入に使える「ゴールド」などのゲーム内通貨をたくさん持った
ゲームIDを取引する市場が作り出された。
マルウェアやコンピュータシステムに侵入するためのソフトを使って、ハッカーはMMOGユーザー
のアカウント情報を盗み、そのユーザーが持っているゴールドや武器、その他アイテムを実際の
お金と交換している。
「MMOGに携わる皆さん、皆さんは既に犯罪組織に目を付けられています」とMicrosoftのセキュリ
ティ開発エンジニア、デイブ・ウェインステイン氏は同社のGamefestカンファレンスで語った。
マルチプレイヤーオンラインRPGでは、プレイヤーは架空のキャラクターになりきって行動し、
仮想世界でほかのプレイヤーと交流する。World of Warcraftの場合、ユーザーはゲームソフトを
購入して、月額料金を払ってオンライン世界にアクセスする。
ブラックマーケットでは既に、盗まれたクレジットカードアカウントや偽造パスポート、偽造
書類など、個人情報窃盗により集められた違法な品物と一緒にオンラインゲームアカウントが
売られている。
実際、1万ドルもの価値が付くゲームアカウントもある。
「このマーケットにはたくさんの顧客がおり、MMOキャラクターには、彼らがそうしたキャラ
クターを買うのに使うクレジットカードよりも高い価値が付いている」(ウェインステイン氏)
「警察は、誰かにクレジットカードを盗まれてお金を使い尽くされたという訴えは理解して
くれるが、『誰かに魔法の剣を盗まれた』という訴えを受け入れてもらうのはずっと難しい」(同氏)
▽News Source IT media 2006年08月15日 18時27分 更新
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/15/news034.html