ラグナロクオンライン
■第一紀・第一世代:α〜β1
当時の廃基準:プロ北常駐、女王蜂常駐、ピラ4常駐(寝落ち含む)
まだ世界は狭かった。
カードも青箱も実装されておらず、一次職しかいなかった時代。
魔法使いの詠唱速度がDEXではなくAGIだったあの頃。
酷いラグや長時間の一部鯖落ちなど環境は最悪だった。
既にBOTも暗躍し、海外からの訪問者も珍しくなかった。
だけどみんないつも笑顔だった。
きっとその先には明るい未来が来ると信じて。
鯖が落ちれば有志による救助隊が編成され、
隔離されたマップから生存しているキャラクターを運び出していった。
名も知らない友人への無償の友情が、そこにはあった。
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■第二紀・第二世代:β2〜課金後
当時の廃基準:GH常駐、BOSS狩り主義(高価アクセ)
運営会社が重力から癌へ移行した際の度重なる不手際により世界は混乱。
貨幣価値はインフレを起こし、増加したBOTにより市場は一夜にして崩壊した。
アイテムのデュープ(複製)、システムを利用した詐欺、キャラチェンバグ。
本来ならβ時代に解決されていなければならない世界の綻びに対して、
神(運営会社)は何ら手を差し伸べようとはしなかった。
ただ「頑張っている」とだけ繰り返し。
希望は、やがて絶望へと変わった。未来など、なかったのだと。
第一世代の出身者達は次第にこの世界に見切りを付け、
新たなる新天地へと旅立っていった。
そしていつしか人々は、強さだけで他人を評価するようになった。
量産至上主義が世界を旋風し、それに外れる者は軽蔑された。
あの暖かい心は、もうそこには無かった。
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■第三紀・第三世代:GvG開始〜
当時の廃基準:GvG連勝ギルド傘下 対人特化過剰精錬装備保有
ギルド戦が実装されたことにより量産至上主義は否定され、
過剰精錬を中心とする新たな対人特化主義が台頭。
加えて実装されたレベル99のオーラと対人特化の2-2次職。
それはますます人々の心を荒ませる結果となった。
「廃スレ」と呼ばれたもうひとつの土俵を介しての情報戦や、
人脈とコネそして金を駆使した軍団の編成。
利害だけが相手を計る基準となり、戦いの仲間はその心でなく強さだけで
選ばれるようになり、離反・裏切り・反乱はもはや日常茶飯事となっていた。
だが、無為な時間を極限まで費やすことで高レベル=廃になれる時代は終わった。
もはや誰でもオーラを纏えるだけの年月が過ぎていたのだ。
実生活を犠牲にしてレベルを上げて来た廃人達が取った道は二つ。
より一層のGvGへの異様なまでの固執か、あるいは引退か。
それでも神(運営会社)は相変わらず一人芝居を繰り返していた。
賢明な第二世代・第三世代の人間は、もうこの世界には残って居なかった。
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■第四紀・第四世代:ROアニメ化〜未来
予想される廃基準:転生後のオーラ三次職?
GvGは完全に停滞し、転生を済ませ再びオーラを纏った廃人達による
資産増量とそして戯れの場となっていた。
僅かに残ったレース会場は既に運だけで勝敗が決まる一種の賭博場になっていた。
新たにアニメを経由して新たな世代の人間達が大量に流入。
そして――……‥‥・・