ここはグラストヘイム古城2F。
息を切らせて走るナイトの娘が1人。名はNaNaMi。
金髪のロング。まだわずかに幼さを残す顔立ち。
その身のこなしは熟練したナイトの物だが、今やその行動に余裕がない。
彼女の背後からは鎌を持つ山羊、バフォメットが1匹。
どうやら彼女はこの化け物から逃げているようである。
階段を駆け上がり、角を曲がって、細い通路にさしかかった時
彼女の足は動きを止められた。
そこには金髪ショートカットのナイトの娘を乗せたペコペコが
狭い通路を塞ぐように座り込んでいたのである。
「すっ、すみません! 通してくださいっ!!
あ、いえ、宜しかったら助けて下さい! 追われているんです・・・。」
休んでいたペコナイトは何事かと振り向くと満身創痍といった状態のナイトが、
そしてその後ろの曲がり角から1匹のバフォメットが現れる所だった。
『あら、ごめんなさい。
今ウチのペコペコを休ませている所なの、ちょっと動けないのよ。
ワルイワネェ。』
と、ニヤニヤと笑いながらペコナイトが答える。
『なぁに? バフォメット1匹だけで取り巻きいないじゃないの。サッサと片付ケチャイナサイヨ。』
もちろんペコナイトは、このNaNaMiにはそれが出来ないであろう事は分かっていた。
「お願いします、助けて下さいっ。もうSPも白ぽも無くて戦えないんです。
何かお礼もしますから・・・」
半分泣きそうになっているNaNaMiの言葉を遮り、ペコナイトがNaNaMiに冷たい目を向ける。
『何?雑魚バランスナイトがBOSS狩りPT連れて、いい気になってバフォメットを狩りに来たんでしょ?
で、大方仲間が全滅して一人じゃ倒せないから逃げ回ってるんでしょ?
身の程知らずもいいとこですね、ウザーイデスネェ。
・・・わたしはアンタみたいなのが一番嫌いなんですよ。まぁ、雑魚キモイトダケイッテオキマショウカネェ』
しばし茫然とするNaNaMi。
『ほらほら、バフォメットが来てますよ、ガンバリナサイヨー。』
顎でバフォメットを指しつつ言う。
NaNaMiはハッと我に返り、慌てて後ろのバフォメットに振り向こうとするが既に遅かった。
後頭部に化け物の大鎌が叩きつけられ、無様に床に転がる。
「うぐっ」
普通の冒険者ならばこの1撃で即死する所だが、雑魚とはいえ彼女は廃人。
そのHP回復スキルにより、意識を保つ事になる。
とはいえ、もはや抵抗する力は残されておらず立ち上がる事も出来ない。
バフォメットは倒れ伏したNaNaMiを掴み上げ、羽交い絞めにする。
『あら残念ねぇ、気を失えればバフォメットはあなたへの攻撃をやめて私の方にキタデショウニー。』
ペコナイトはNaNaMiの惨状を目の前に、さも面白い見せ物の如く眺めている。
『意識があるのに抵抗しないのはかえって危険ですよ?
こいつら何を考えてるのか知らないけど、無抵抗の女は嬲る習性がアリマスカラネェ。』
NaNaMiにはその言葉の意味する所が理解出来ずにいた。
・・・次の瞬間までは。
バフォメットの一物が左右に開き、内側から伸びた巨大な触手が彼女の腕と太腿を固定する。
そして、丸太のような腕で彼女の鎧を引き剥がし
その下に来ていたスーツまでも力ずくで剥ぎ取られる。
白い肌、片方の乳房があらわになる。
大きくも小さくもないその張りのある胸を、化け物の手が蹂躙し始める。
『こんなダンジョンの奥で、貴方みたいなカワイイ子のストリップが見られるとは
思ってもいなかったわ。
ま、ストリップで終わればまだイイデショウケドネ。』
NaNaMiもようやく事態を悟ったのか、顔が青ざめる。
「・・・た・・・、助け・・・ねがいしま・・・」
『言ったでしょう? 私はアナタのことがキライナノヨ。
せいぜい良い声で泣いて、私を楽しませてチョウダイネ。』
まるでペコナイトの指示を待っていたかのように
バフォメットの下腹部からさらに触手のような器官が現れ、彼女の白いパンティを引き千切り
何の準備もされぬままの彼女の膣内に躍りこむ。
「やぁっ! うぁっ!? ひぎぃっ! あ! ぁぁあぁあぁぅ・・・」
蠢く触手達は、青い液体を撒き散らしながらリズミカルに彼女の体内に出入りし続ける。
あるものは膣へ、あるものは口へ、またあるものは・・・。
「イヤっ、止め・・・助けふぇぅぇ・・・んんんむぅ、んんっ・・・ぁはぁ・・・」
始めは嫌がるそぶりを見せていた彼女だが、青い液体の所為なのか
次第にその声に、色っぽい嬌声が混じりだす。
触手の動きにあわせて腰を振っている様にすら見える。
「あっ、あぁぁっ、やぁぁ・・・ひゃぅっ! いぁっ・・・ぁぁぁ・・・」
『何よ、イヤナンジャナカッタンデスカ?
咥え込めればナンデモイイノ?
化け物に犯されてヨロコンデルンデスカー?
役職が金髪テンダ娘だけど、あんたただの変態テンダネス娘デスネー』
「ちがっ・・・ぁっ! そんな・・・ひぁっ・・・きゃぅっ! ・・・ひぁぁっ!」
もはやペコナイトの酷い言葉も、NaNaMiにとっては
自虐心をくすぐり劣情を掻き立てるモノでしかなくなっていた。
虚ろに宙を泳ぐその目には、ペコナイトの姿は映っていなかった。
背を弓のようにしならせ、快感に体を震わせる。
『気持ちイインデスカー?
化け物の触手がイインデスカー?
他人に見られながら化け物の触手でイインデスカー?
イっちゃいなさいよ!
このいやらしい変態テンダネス娘が!!』
「あぁぁっ! いっっ・・・ひぁぅっ・・・ぃ・・・イくっ! イっちゃぅぅぅっ!!!」
絶頂と共に気を失い、バフォメットの拘束から解放されたNaNaMiは
そのまま青い液体に濡れた床の上に崩れ落ちる。
一方バフォメットは気を失った娘に興味を失い
ペコナイトを新たなターゲットに定め襲いかかる。
が、その大鎌がペコナイトを触れることは無かった。
スラリと引き抜いた長剣が一瞬のうちにバフォメットの体に5,6本の線を残し
剣を鞘に戻した瞬間、目の前にはバフォメットだった物がバラバラに崩れ落ちていた。
ペコナイトは鞘の先っちょでNaNaMiの頭を小突く。
「ぅう・・・」
『面白い物を見させてもらったわ。見物料代わりにこれをあげる。
その格好じゃ帰れないでしょうからね。』
と言って道具袋から蝶の羽とぼろマントを取り出すと、床に投げ捨てた。
『これに懲りたら、これからは適正狩場で地道に稼ぐことですね。
じゃ、バイバイ。最後に、雑魚の妬みキモイトダケイッテオキマショウカネェ。』
ペコナイトは振り返ることもなくダンジョンの奥に消えていった。
数分後、NaNaMiは脱力感の残る体をやっとのことで起こし
青い水たまりの上に投げ捨てられたマントと羽を見つけた。
ボロボロのマントで体を包んでから、蝶の羽に手を伸ばす・・・
が、そこにあったのは蝶の羽ではなく、化け物の太い足であった・・・。